2019年12月25日 (水) 20:57
こんばんは、菊田月夫です。東京地方は、やっと冬らしい本来の寒さで一日が始まるようになりました。お布団でぐずぐずしていたいあの感覚、寒い冬の朝です。
先週は、後期の文章教室のもう一つの授業の一回目がありました。始まりが他のクラスに比べて二ヶ月ほど遅いのは、80枚程度の作品を書くための執筆期間が設けられていたためです。授業は予め配られた冊子を使って、先生の講評と数人の生徒さんからの感想をもらう形で進められます。
さすがに、50枚以上の作品をいっぺんに講評出来ないので、一回の授業ごと数人に振り分けます。先週の授業で講評された方たちはいずれも、わたしより在籍年数が長い生徒さんなので50枚を超えた作品を軽々とこなす余裕を作品から感じました。この先生の得意分野が時代小説ということもあって、提出される作品に時代小説が多いのもこのクラスの特徴です。
先生からの講評が始まりました。作品全体を通しての感想に続いて、細かい部分の矛盾点についての質問が続きます。その日は3作品が対象だったのですが、そのうちの一作品はプロ並みの文章力をお持ちの方で、五代文芸誌の二次選考の欄に名前が上がる常連の方です。中堅の文芸誌だったら、優秀賞、大賞、の受賞歴がざらにあると思います。
名前は知っていても今までお会いしたことはなかったのですが、実際お会いしてみると作品の完成度とは正反対のお若い方でした。よくあんな人生を達観した心情描写ができるものだと驚きです。とにかく教室内での、賞と名のつくものは、ほとんど制覇してしまって、現在は外部で腕試しって感じだと思います。先生から、直すところない、とお墨付きが早々と出て、その方の枠内の時間が余ってしまいます。
凄いなあと思う反面、この人でさえデビュー出来ていない理由が謎です。
そして、残りのお二方の作品の講評に移ります。先生の講評を聴いていて何だか違和感を覚えました。この先生、こんなに突っ込み方、やさしかったっけって……。
時代小説が専門のこの先生を選んだのは、昨年までの授業で講評を受けた後、立ち直れないほどガックリくる辛口のコメント、それをもう一度期待していたからです。先生の長所であったそのキレッキレの突っ込みは、今回鳴りを潜めました。概ね褒めるコメントに変化していたのです。
授業が終わってわたしがそのことを口にすると他の生徒さんも同感だったようです。結局、厳しくすると生徒さんが減って、経営的に成り立たなくなってしまうことのようです。つまらないなあと思いました。
「上手に書けてますよ」よりも、例え心折れても、自分としてはどこが悪いかを知りたいです。何のためにこの先生を選んだかが意味ないものに思えてきます。
こんなところにまで、褒める効用のメソッドが侵入してくるとは、寂しい気もします。これも世の中の流れなんですね。
次回の活動報告は、うーん、元旦にあたるんですね。
三が日のいずれかの日に、とだけ書いておきます。
最後に、読んでくださったみなさま、みなさまと書いたけど読んでいただいている方が複数いるのかな? 今年一年ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。