2024年05月04日 (土) 22:12
『水深ゼロメートルから』
制作国:日本 主演:濵尾咲綺 監督:山下敦弘
・あらすじ:
夏休み序盤。体育(プール)の補習として、高校二年のミクとココロは、空っぽのプールの掃除を言い渡される。このプールは、隣の野球部の練習の影響で砂が底に積もるのだ。
さらにミクの親友で水泳部のチヅル、チヅルの先輩のユイも助っ人にやってきて、4人の女子高生はひたすらプールの底を掃く。
ミクは幼い頃から阿波踊りをやっているが、最近上手く踊れない。
ココロは一軍女子だが、野球部のマネージャーの面接に落ちた一軍半。
チヅルも水泳で壁にぶつかり、ユイはそんなチヅルを助けてやりたい。
終わりの見えないプール掃除。それぞれは想いを打ち明けていく。
・想:
原作が高校の演劇部ということで、大きな仕掛けはない。かといって、プールとプールサイドの高低差で生足の女の子のパンチラをのぞく、という映画でもない。
ただただ淡々と時間が過ぎていくのだが、退屈はしない。四人の主人公は、展開によってプールからいなくなる時間帯があるため、異なる組み合わせでの一対一での会話があるなど、常に画面に変化が起きるから退屈しないのだろう。
終盤で男女差による社会の立場の差にも言及され、所謂一軍ジョックスの野球部の水面下で頑張っている女子たち、という主張も多少なりあったのだろうが……。
俺は幼少期に『one-piece』を読んでクロコダイルの強さに心底恐怖し震撼した世代なので、砂というと極度の渇き、乾燥をイメージしてしまう。
四人の女子高生の生活は決して無味乾燥に乾いたものではないのだが、どこか「うるおい」にかけ、「うるおい」を求めているように感じた。そのアンサーとして、最後は雨が降って終わる。終わりの見えないプール掃除の、プールの底に積もった砂は、雨が一気に流して行ったのだ。
山下監督は今年は『カラオケ行こ!』に続く二本目。『カラオケ』が素晴らしい映画だったので背中を押されたが、『カラオケ』が豪華キャストによる、一種の現実離れのある華やかな映画だったのに対し、『水深』は低予算ながらもどこか生々しいリアルを感じさせた。
どちらも一貫しているのは一筋縄ではいかぬ青春の痛み……というには大げさな、痒みのようなものだった。
ああ、あと、『カラオケ』は大阪、『水深』は徳島が舞台だが、方言指導が徹底されていた。
<今回のあらすじ>
山中研究所の地下の探索に行ったシキミは、一向に手がかりを掴めないことで頭がおかしくなる寸前だった。
ここはおかしい、ここは狂っている。そう認識できているうちは、自分は大丈夫だ……。
だが拠点に帰り、紬と食事をすると自分が山中研究所に染まっていることを自覚する。
全員の善意と任意による幸福で成り立つこの街で幸福を感じることは、つまり染まってしまうということなのだ。
シキミは早期決着を図る。この街の基準である『ワラビさん』をぶっ壊すのだ。
その頃、シキミと紬の存在を認識した、“恩田”なる男が動き出す。
EP1も佳境だが……。
うーん。どの回でもある程度の見せ場は用意するようにしているのだが、今回はそう言うヒキがなかった。誰も読んでいる気配もないし、EP1が終わるまでは『DoG』と『トラッシュ』の両方を週一でやるが、EP1が終わったら『CZK』と同じくらいのペースかな。
想定では『トラッシュ』7部は、現時点で最低クラスの出来である6部よりは圧倒的に面白くなるはずだ。そして、フジの成長物語としては、今の俺が思い描ける限りでは7部の敵以上の者を考えつかないので、そいつを倒すことで終わると思う。
俺が最近、6部は早めにたたみたいと言っているのは7部でようやく盛り返しそうだということ、フジが向き合わねばならないフジだけの敵になるからだ。
それでもし『トラッシュ』が終われば、『CZK』をとるか『DoG』をとるかの二択だが……。
最近書くのに高コストな『CZK』よりも低カロリーに書ける『DoG』が生存する可能性もある。