2017年07月21日 (金) 00:57
こんにちは、まるぶちです。
『彼は可憐な偽りの少女』の後日談になる番外編を投稿しはじめました。
なんだか色々考えていたら、ちょっと重くて長いお話になってしまい……。お気軽に、と言えないのが心苦しいです。
内容は、
矢子と佳佑がトラウマ克服しつつイチャイチャしたり。
戸田望やタクヤ、サキコがメインのお話があったり。
店長橋本のお話だけ別の物語みたいにラブコメ色が強かったり。
…と、なんかそんな感じです。
このお話は書きたいものが書けて幸せでした。それがもうちょっと続くと思うと楽しみです。
ちょこちょこと更新していくので、よろしくお願いします。
↓ 何処にも入らなかった超小話。
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「なんで『ユカ』なんです?」
可愛らしいワンピースを着た佳佑、もとい『ユカ』に向かって、矢子が思い付いたように尋ねた。
「えー、今更?」
髪にピンを留め髪型を作りながら、ユカが驚いたように声をあげた。
「オレの名前、紙に書いてみて」
矢子が言われた通りメモ用紙にボールペンで『佳佑』と書くと、彼はその下に『佑佳』と書いた。
「……あ」
「ね?」
漢字を前後入れ替え、それを読ませる。
『佑佳《ユカ》』。
なんとも簡単な種明かしだ。
「ユカちゃんて、単純なんですね」
「失礼しちゃうなぁ」
わざとらしく、ぷいと怒ったふりをする。
「でも、エスプリが効いています」
「エスプリってなに? コーヒー?」
「それはエスプレッソですね」
ユカのボケに真面目に答えると、矢子は彼の綺麗にまとめ上げられた髪にそっと手を触れて、小さく笑った。
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それでは。