2015年12月20日 (日) 10:16
 目を覚ました俺は本拠地の自室で寝ていた。俺達の本拠地は最も事件が起こりやすいバステリア帝国にある。いや、正確にいえば俺にとっての本拠地だ。この裏家業の集団は世界各地に小グループで配置されており、それぞれの国の王の監視をしている。どの国の王も自分の利益ばかりを求め、国民は偽の平和のなかで生活している。そして俺達のいるバステリア帝国の王は各国の王の頂点に君臨している。そいつが悪の元凶であるのは間違いない。俺の家族も王のせいで起こった反乱で俺以外命を落とした。俺のような復讐者を生まないためにも、俺は一刻も速く王を討つ!
「おー、起きていたか。」
俺達のボスであるリアンが入ってきた。
「ああ。それより、この仕事の難易度の上がり方はおかしいだろ。」
「これは試験だ。」
「試験?」
「お前達が明らかに自分より格上の相手にどういう反応を示すのか、能力者相手に最善を尽くして戦えるのかを見る試験だ。」
「それで?結果は?」
「まずまずだな。」
「その結果で何か俺の仕事に変化でもあんのかよ?」
「ああ、これをやる。」
渡されたのは瓶に入っている黒い炎だ。何かが燃えているわけでもなくその炎は存在していた。
「なんだこれ?」
「これを飲めばお前は能力者になる。使い方によってはあの男と対等に戦えるだろう。」
その言葉を聞いて迷うはずがない。俺は力が欲しい。敵一人にすら勝てないのに王に勝てるはずがない。
「んじゃ、貰うわ」
俺は瓶に入っている黒い炎を一気飲みした。炎は何故か熱くなかった。
「こーゆーのって普通飲んだとき何か起こるんだと思ってたわ。」
ドクンッ!
「!?」
「まあ、それが普通の反応だから安心して苦しめ。」
ふざけんな!毒じゃねーんだろうな!?話したいのに呻き声しかでない。そうして俺はまた気絶した。
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