2016年01月02日 (土) 12:29
戦いが始まると直ぐに俺は力を解放した。俺は背後に見方がいなくなるのを確認して、後方に炎を噴射した。力の調整が出来ていなかったのか、城内の木に突っ込んだ。
「うおーーー!ちょっ!まっ!... いってー!」
幸い怪我はしなかったようだ。ここで怪我するなんて笑えないぜ。
俺に続いて一樹は、鉄のように見えるロープ?鉄なのに曲がるロープ?よくわからない道具でここまで滑ってきた。
「なんだそれ!?すげーな!」
「うん。このロープは鉄の硬さと、ゴムの柔軟さを兼ね揃えた道具なんだ。工夫すればかなり便利だよ。」
そしてアキトは地面を並みのように動かして敵軍を撒き散らしながらやってきた。隣には見かけない長髪の男がいる。
「やっぱその能力すげーよ。ところでその人は?」
「ああ、ドラギスの側近の人だよ。」
「タツミと言います。この度は力を貸していただき、感謝します。」
礼儀正しくて、いい人そうだ。
「これも任務だしね。それにここの王は腐ってるから。」
一樹も頷く。
「それではここからは二組に別れて動く。俺とタツミは城の東側を破壊して進む。お前たちは西側を頼む。今は城を破壊して残りの側近を前線に出すのが目的とする。くれぐれも無茶はするなよ。えっと、あとこれ。これで連絡を取るから、よろしく。」
そう早口で説明すると大量にいる兵を撒き散らしながら進んでいった。
「これは... 無線ってやつか。」
「うん。初めて使うね。」
俺は前線向きじゃない一樹を守りながら西側へと足を進めた。西側は何故か兵は0だった。
「これは... とりあえず全力で城を破壊してまわるか。」
俺は巨大な手の形を模した炎で城を叩きつけようとした。
「おい!貴様!何をしている!?」
突然敵兵が出現した。何だ?気配は全くなかったぞ。しかもこいつ一般兵の装備じゃないな。男は白いコートを着た、金髪だ。偉いやつは皆コート大好きだな... 。後ろ長すぎだろ。
「おい... お前は後方に下がってろ... 。見れば解るだろ。壊して城内侵入だよ。」
「ならば容赦はしんぞ!名誉ドラギス王側近の名に懸けて!」
そう言って男は何もない空気から剣を取り出した。能力者か。
「そうかよ!」
俺は作っていた黒炎の腕で男を叩き潰した。辺りは地面の水分すら蒸発しているのか、砂煙と水蒸気と熱気で凄いことになっている。
俺は手応えを感じたことから、勝利を確信した。
油断は禁物だとアキトから教わっていたのに...