2011年05月22日 (日) 13:35
<ディン・セルグリム>
・キャラ設定
この物語の主人公。
ファンタジー世界に転生したはいいものの、何故か感情の機微に乏しい機械人間になっており、異世界の価値観や文化、新たな人生、近過ぎる死といった状況になんら反応することなく惰性で生きている男。
だがそのおかげで反則的な魔術技能と戦闘力を手に入れ、年齢としては世界最高峰のスペックを擁することになった。しかし今のところ魔法の才はない。
常に自分の感情というものに疑念を抱きながら日々を過ごしており、身の回りで起こる全ての物事に対して本気で考え込む様なことは全くなく、むしろその物事を通して自分がどのようなことを感じるかにしか興味がない。無論彼の心が動いたことは一度もない。
容姿としては中肉中背で鷹の眼のような鋭い目つきをした短髪の茶髪少年。線の細い美少年というよりは、野性味あふれる様な雄々しいタイプ。
といっても幼いながらも性格と無意味な経験値と化している前世から記憶が合わさり、14歳という若さながら老けて見える。
・序章での立ち位置
基本的には無表情のまま周りの喧騒から一歩外れてその有様を観察していることが多く、当小説内においても主人公と言うよりは観測者といった方が正しい。
周りでは王権がどうのこうのダークストーカーがどうのこうのと目ぼしい『イベント』が盛りだくさんだったが、彼の興味は徹頭徹尾自分の感情の有無に向けられており、メタ的な観点から言えば、戦争描写やダークストーカー云々は全て『おまけ』である。
ファンタジーやら厨二やらを期待した人には申し訳ないが、序章のメインテーマは主人公の『自分探し』ただ一つであり、彼のキャラを固めるための物語に過ぎない。
曰く、チュートリアル。
<リリィ・フロラウラ>
・キャラ設定
ディンと同じく首都カンダネラ内の貴族邸宅街に住む貴族の次女であり、彼女の父親でもあるフロラウラ宮廷伯は王宮で政務に関わる中流貴族の一人。
幼い頃に垣間見た貴族という仕組みにおける女性の立ち位置に不満を覚え、その際に同じようで実は違う立場であったディンと出会い、そこから自由の意味を考えつつも若さで動く様な似非哲学少女に。
ディンと共に戦士ギルドで一年間ほど世間の波に揉まれてはいるが、まだまだ実力も経験も未熟であり、本人の才能の有無からしても他より一歩甘んじることが多い。
といっても彼女はフラムバルドでは珍しい魔導師の卵。曲がりなりにもその技術を学んでいるため、良くも悪くもムラッ気がある戦闘力を有している。
貴族と言うよりは冒険者風魔導師といったラフな格好。長く伸ばした赤毛は一本の三つ編みにして背に垂らす髪型。不遜とも感じさせるような皮肉気な笑み。並べればおよそ貴族とは思えぬ風貌である。
大人染みていたディンと幼少期を過ごしたことで彼女にも不釣り合いな知性と価値観が生まれているが、本質的には普通の少女と変わらないため、悪事には良い顔をせず、恐怖には正直に身体を震わせ、不満があれば隠すことなく口を尖らせる。
曰く、大人ぶる普通の少女。
・序章での立ち位置
主人公のキャラ的に序盤の話は箸にも棒にもならない設定公開の嵐となるはずだったが、そういった閉鎖的な展開の埒を開けるために登場した導き手ということになる。
しかし、戦士ギルドの経験や貴族の生まれなどの要因によって貴族の立場にも平民の立場にも理解を示し、周りで自分探しやら戦争やら貴族の誇りやらといった話が続いている中で、ただ一人淡い恋心だとか若者らしい自由の渇望だとかを求める有り様は、実に浮いているとも言える。
逆に言えば、彼女こそが常識的なキャラだということも。
さらに序章内において唯一の純粋な魔導師キャラということもあってか、この小説の重要な部分である『魔法』『ネレイド』といったことに関しては彼女の話を通じていくことになっている。
ひょっとすれば自己投影型主人公としては彼女の方が優秀なのかもしれない。
ちなみに幼少期の頃のイメージは某契約者が出る作品の狙撃手少女。16歳となった今では某厨二御用達作品の二次創作キャラである女体化弓兵。一説では女体化でもないらしいが、まあ、どうでもよろしい。
<ローズ・フィンロード>
・キャラ設定
フラムバルド国内南部の国境付近一帯の領主であるフィンロード辺境伯の長女であり、宝剣『ヴェスパーダ』と呼ばれる当家に代々伝わるAFの使い手。
貴族とは民を守り、導き、その模範となるべく者であると考えており、その考えに見合う誠実さと高潔な心を持つ誇り高い少女。
しかしその信念に従うために物事の道理に反してみたり、貴族としての誇りに囚われたために言動が厳しくなったりと、どことなくその在り様には融通が利かなく理想に執着して現実を見据えない若さが見られる。
権力や金で堕落した貴族が蔓延る中で彼女のような眩しすぎる観念は異端でもあり、悪く言えば甘さとも取れるせいで家族にも周りにも認められることなく、たゆまぬ努力と天賦の才でヴェスパーダの使い手となりながらも、やはり貴族の中では浮いてしまっている。
そんな中で友人であったリリィから紹介されたディンという存在を知り、騎士試験において初めて自分を打倒する同世代の人間に歓喜し、自らの考えを否定するでも肯定するでもなく受け止めた彼に興味を抱くことになる。
・序章での立ち位置。
上記で説明した通りにディンの立ち位置が主人公ではなく観測者寄りにあるため、本来の一般的な主人公要素に溢れることとなったキャラである。
別に作者自身も急遽こういった扱いにというわけでもなく、元から『イベント』としての中心人物に彼女を据えるつもりだったのだが、予想以上に彼女の設定が王道展開の主人公に合致。
ディンの自分語りや感情への執着描写が無ければ、ほとんど序章はローズ・フィンロードの物語と言っても過言ではない。
といっても物語の土台を作っているのがリリィの常識的な価値観や少女らしい思考とすれば、ローズの高潔な貴族やAFといった要素はそこにファンタジー要素を強める装飾であると言っていいだろう。
ならば本来の主人公であるディンという主人公の役割は? 転生という不自然さと、厨二という要素を強めるための異常性である。
イメージは某厨ニ御用達作品の剣百合。髪型が違うけど、まぁ、一般的な金髪ウェーブを想像していただければ。ちなみにリリィと同じく16歳。
読み始めて主人公の雰囲気や性格など、転生者としては面白みが無いなぁ~~と思っていましたが・・・序章の終わりで壊れたらへんで一気にそそられました(笑)
というか主人公死んだみたいな感じですけど、まだ序章ですもんね!!主人公は死んでないと仮定して、これから主人公がどのように変化していくのか気になります!!
あと転生物のネット小説にありがちな更新を断念するみたいな悲しい事はしないで下さいね。これは願望っす!!