2022年06月03日 (金) 12:08
こんにちわ。竜世界……特に捻りも無く「りゅうせかい」と読みます。
現在以下の作品を小説家になろうで投稿しています、
『あかないキミの、異能世界』
https://ncode.syosetu.com/n6459hc/
最近は過去の劇場版込みでアニメの一挙放送がYoutubeで盛んに見えますがそんな中、『アイドルマスター XENOGLOSSIA』が毎週火木の2話ずつという条件で一挙配信されており、先日全26話の視聴を終えたので一挙配信を知った瞬間から計画し、ある程度話数を見る内に定まった「中盤までの情報に基いて活動報告を書く」という行動案を実行した次第。
個人的に「面白い作品ほどネタバレが容易」という見解があり、普段は作品の内容がほぼ一切出ないように作品感想ツイートしているのですが、今回ばかりは「中盤までのネタバレありで活動報告記事を書く」という条件で「私なりの調査報告書紛いのもの」を連ねます。
それと放送時期を引き合いに出す為に関係無いアニメタイトル記述も多量にあります……そちらは内容にはまるで触れていませんが。
ですので私のように新鮮な感覚で初めての作品を観たい方は次に再び貼る拙作URLの段階で引き返して頂くければ。
その方への最後の情報として、アニメで楽しい時間を過ごしたい方はゼノグラシアを観ない事をオススメします……中途半端じゃないガッツリした作品さえ観ればいい方には、ゼノグラシアはオススメです。
『あかないキミの、異能世界』第1話リンク
https://ncode.syosetu.com/n6459hc/1/
~はじめに~
最終話を見終え、この活動報告を書く直前にwikiの主要箇所を閲覧し情報を増強しました……さてアニメといえばまずはこの情報。
この文は敬称破棄……監督は長井龍雪、シリーズ構成は花田十輝……脚本家自体は更に四名。
ありゃ、花田先生が書かれたのは1話~4話、7話、9話、13話、16話(with植竹須美男)、19話~20話、23話~26話。
個人的に花田十輝先生はアニメ版『ノーゲーム・ノーライフ』のシリーズ構成を務められ最終話ラストでニコニコ動画のコメントオンにしてみれば……
それからアニメ『H2O』で「精霊会議」というのがあったと聞き、更にその後アニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』を経てリアタイした『ラブライブ!サンシャイン!!』で、私の中で「飛び道具使い」という認識を確立しました。
勝手ながら私がそう呼んでいるのですが「手では届かない距離にあるものに到達させる手段」という意味合いを「本来ならその尺では収まらない展開を実現する」と転用しています。
ラブライブサンシャインでは高火力の飛び道具を使って終盤の畳み掛けを行った回が幾つもあり、小説では実現出来無いようなアニメという映像情報があるから辛うじて実現出来そうな力技を毎度高火力で昇華してたから私の中で花田十輝先生というネームバリューがヤバイ事に。
ゼノグラシア話に戻り、1話OPで「シリーズ構成 花田十輝」といテロップ見て視聴モチベ昂る。
そして実際に拝めたのは1話まるまる飛び道具回……ちゃんと花田先生が書かれた話数なのも先程確認……この記事は事ある毎に調べながら書き連ねています。
というわけで『H2O』が2008年1月3日から3月20日地上波の全12話、ノゲノラが2014年4月9日から6月25日の全12話、艦これが2015年1月から3月で全12話、ラブライブサンシャイン1期が2016年7月2日から9月24日の13話で2期が2017年10月7日から12月30日の13話……さて話をゼノグラシアに。
ロボットアニメ要素部分は長井龍雪監督が手掛け、私が感心と感銘を受けたロボットやSFな設定を考えたのはこの方でしょう。
監督と脚本家による作品への戦犯比率は現場によって異なりますが、wikiを見た感じどうやら……
格闘ゲームで例えるなら、キャラの情報や必殺技を考えたのが長井監督でそれを作中でどのように動かすかを考えたのが花田先生……でよさそう。
ゼノグラシアは2005年の暮れ頃に長井監督が選ばれて構想が始まり、2007年4月から9月に掛けて地上波……OPは「初回のみ効果音無し」で以降は部分的な効果音形式というのがこの時代にあったというのは何気に興味深い。
そして本家『THE IDOLM@STER』は2005年7月26日にゲームセンターにて稼動を開始したそうです。
~ゼノグラシアのアイドルについて~
iDOL――Immortal Defender of Legatee。
「遺産相続人の永遠の守護者」という意味は砕けてしまった月の破片を除去する「隕石除去人型重機」と掛け離れ過ぎない言葉が選出されている感じ。
そんなロボット機体の本体となるコアは複雑なシリコン構造体……このiDOLを操縦するパイロットが「マスター」。
「真性異言」と訳されるxenoglossiaは「習った事が無いはずの言語を話す現象」で、それをプロデューサーを務めた古里尚丈さんが「妖精や精霊、または超自然的な存在の言葉を理解する巫女」としてタイトルに起用.
故に『アイドルマスター XENOGLOSSIA』……見事なデザインです。
前述のiDOLのコアは全部で五つあり、中盤までのネタバレありと触れたので壱号機弐号機と伏せずに機体名を列挙。
PROMETHEUS1 IMBERインベル
PROMETHEUS2 NEBULAネーブラ
PROMETHEUS3 NUBILUMヌービアム
PROMETHEUS4 TEMPESTASテンペスタース
PROMETHEUS5 HIEMSヒエムス
……そして人造iDOL機体EPIMETHEUSエピメテウス
プロメテウスはギリシャ神話で人類に火――天界からの盗品――を与えた男神で、その弟がエピメテウス……そして機体名を語る前に主人公の所属組織Mondenkindモンデンキント……こちらはドイツ語ですが英語にすれば多分Moon Child……機体名も月関連です。
敵対組織であるTuriavitaトゥリアビータはギリシア語で「三つの命」……「人」、「iDOL」、「人とiDOLの間に立つ者」の三つだそうな。
ぼちぼち本格的に言及し始めますと「iDOLは本来、月デブリの除去に使われる」……この設定だけで「戦闘が起きないとロボを出撃させられない」という問題を解決してるのが序盤の感心ポイントでした。
日常パートでもロボを出せる設定は強いです。永井監督と花田先生どっちのアイデアだったのかなぁ……
iDOLは飛行時にボディを折り畳み変形するのですが本項冒頭に「人型重機」とあったように重機をモチーフにした非戦闘形状を目指したデザインだそうな……そういえばiDOL自身は実弾兵器とか使わずに基本は拳で戦ってたなぁ。
立体造形は角度によって雰囲気変わりますが、正面顔と側面顔で印象が違うのは醍醐味。
~ロボットアニメとしての形式について~
宇宙まで出向いて隕石というか月の破片を無害なサイズまで一発で砕くのがiDOLの日常。
月の破片全般をコンペイトウと呼び、その中から地球に落下すると観測されたのものがドロップ……そのサイズが大きい物順でミルク、ミント、メロン、レモン、ピーチ、オレンジ、チェリー、ストロベリーの八段階に分類されます。
中盤まで見ても地球外生命体的な敵性勢力からの侵略という気配はありませんし、たまに上空をiDOLが飛んだりする以外は一般住民の暮らしは平和そのもの。
「ロボットものは魔法少女ものと互換性がある」という認識が私にはあったのですが……ロボットとパイロットが個別である事を考えると決定的な違いがある事をこの作品で思い知りました……今年と言うか数ヶ月前に観たアニメ一挙配信の際に気付けるシーンあったんだけどなぁ。
魔法少女の変身アイテムの設定次第では条件を同じに出来ますが……さて、ここは言及不足のまま次へ。
~アイマスキャラについて~
そういえば冒頭で「私はアイマスを断片的にしか知りません」という情報書くの忘れた……本当に所々しか知りません。
・高槻やよい
「うっうー! プロデューサさん! ドームですよ! ドーム!」という印象を持っていたのですが……ゼノグラシアやよいは被り物キャラでモンデンキントの存在さえ知らぬまま主人公の相談役や支え役のようなポジ……こういう「第三者から主人公を見た視点の代表」的な存在を出すのは思いの外重要。
何か随分年上に見えるなと思ったらゼノグラシアやよいは原作ゲームより年齢が二つ上の15歳に……そんな感じで改変部分を確認しながら書いてます。
・秋月律子
整備士枠として登場。
他にも整備士はたくさん登場し、あと熟女キャラな医務員の方もいて……この中にアイマスキャラいるのかなーと思ったら律子さんだけだった。
律子さん目当てにアニメ見た方は一度としてロボットに乗らずに延々と整備をしてるシーンを見続ける事に……でもロボットアニメでの整備士は大事な役割で、主人公が入る寮の同居人なので登場機会はかなり多い。
・水瀬伊織
いま画像検索したら黒髪じゃ無かった……しかも原作では生粋のお嬢様。
主人公を罵倒したり額光らせたり日焼けしたりゴキブリ被り物したり……ここまで改変があった何て衝撃的。
そろそろゼノグラシアが「当時話題」になってたらしい事に触れて行こうと思っているのですが……この例だけでも火力たっぷり。
・天海春香
ピンクのリボンが特徴的な主人公……作品要素の全てを一身に受けるまさにPC1。
原作のCVは中村繪里子さんでアニメでは勿論……艦これ加賀さん他、『桜Trick』園田優を演じられた井口裕香さん。
wikiを眺めてる時、気付きました……EDテロップ25回の機会で私何してた……Cパートに登場するキャラ名も表示されてたりするから直視しない癖付いてるんです。
艦これは私が声優への興味関心の対象が技量だけに留まっていたのが個人レベルまで広げたブラウザゲームで井口裕香さんはその切っ掛けとなった一角。
特に桜Trickは艦これプレイ中にニコニコで観てて、当時は私の百合考察も全盛期で……話を戻します。
井口裕香さんにとっては初の主演作となるのですが天海春香は無印アイマスの看板キャラ……「春香の声がアニメで聞けてしかも主役!」と意気込んだ当時の担当Pは……とりあえず井口裕香さんは主演声優としての務めを見事に果たしました、本当に。
・萩原雪歩
「ゆきぽ」……それ以上の事前情報は知りませんでした。読み方は「ゆきほ」。
春香と一緒に行動しがちなので登場機会が多いのですが事ある毎に眠りこけ「とりあえず眠っとけばキャら付け出来るってわけじゃねぇぞ!」と叫びたくなるフラストレーションも。
やがて春香機体のインベルをサポートするオペレーターを務めるのですが流石にその最中は一度も寝ませんでした。
こんなに頻繁に寝るのは何か重大な伏線だったりするので油断ありませんが、これに関してだけは最終話までの情報まで出しますと……特に何もありませんでした。
急遽ニコニコ大百科漁ったら「開発段階での初期設定では『「すぐ穴を掘る」ではなく、「すぐ気絶してしまう」という設定であった』。
まさかの原作準拠というか初期案掘り返し。
・菊地真
OPでは何やら体育会系な雰囲気でしたが再び大百科……「勉学が苦手であるようだが、卓越した体力と運動神経の持ち主で、
空手の達人でありダンスも得意である。他のアイドルと違ってダンサー志向が強い」……原作要素拾われてた。
ファンで無くとも「菊地真担当ならゼノグラシアは見るな」という文字列が浮かび上がるくらい作中では「酷い」です。
個人的に一言で表せば「間違った熱血キャラ」……冷静な判断が出来たシーンが一つもありません。
事ある毎に「iDOLに心なんて無い!」と言い放ち、登場する大半以上で苛々してるか怒ってる……ゼノグラシアを快く捉えれない原因のダメージソース。
先日某錠剤よろしく「ゼノグラシアの評価の半分は真で出来ています」という文字列が私の中で浮かびました。
本当に行動が短絡的で目先の物事に対処しようとしてそれが更なるリスクを招く行動を選択……登場する度に好感度が下がるキャラと言えます。
・如月千早
第1話から敵対勢力、トゥリアビータ側の人間だという事が示され、搭乗する参号機ヌービアムは黒機体なのでまさに敵ポジ。
中盤を待たずにアイドルとの適合性を高める手術を施された改造人間だという事が明らかになります。
「72」というネタは私も見掛ける機会多かったのでアイマス主要キャラという認識でしたが「推しを観に行ったら春香と敵対してて体の中いじくり回されてた」……当時の担当Pは。
というかwikiにはスリーサイズ書かれてるのですが「B89/W55/H82」……原作の如月千早「B72/W55/H78」……あの。
・三浦あずさ
折角なので原作三浦あずさB91W59H86でゼノグラシアだとB86/W57/H84……では続けます。
原作では基本的にショートヘアですがロングヘアも普通にある気配……ただゼノグラシアでは千早とあずさを「黒髪ロングキャラ」と認識していると混乱します。
ゼノグラシア千早の方が青味が強いので並んでいれば見分けは付くのですが突然画面が切り替わり普段から彩度を抑えててどちらも屋内をメインに活動してるから
何度も「あれ?」と思いました……私だけじゃなかったらこれも当時問題視されたのかな。
モンデンキントの主任を務め指令室でその手腕を揮う。第1話から優れた身体能力を披露……弐号機ネーブラの昔のマスターだったりします。
・双海亜美
アイマスには双子キャラがいるのは知っていました。
毎度のOPでも存在感を見せ続け、参戦は中盤に差し掛かる辺りから。
確認したら原作が下田麻美さんが亜美と真美のCVの両方を担当し、ゼノグラシア亜美は名塚佳織さん、ゼノグラシア真美は斎藤桃子さん……調べてない他のキャラもCV違うのかな。
幼少期と言うか七年前の回想シーンで肆号機テンペスタースに搭乗していた真美が爆発してそのまま……作中年齢は12歳。
CVが一人だから成立するかと思いきや、今調べたら声優全然違うって……
そういう理由でモンデンキントを離れてアイドル活動していたのを春香が引き戻すエピソードを経て仲間になり、整備士としてSSRの技能持ち。
……とまぁ中盤での情報まで遠慮なく書き連ねたのですが……何ですか? この見渡す限りのプロデューサーさんへの地雷要素。
この世には「クラスタ―爆弾」というミサイルの中にたくさんの地雷を詰め込んだような兵器があってですね。
~長編アニメについて、と言いますか~
ゼノグラシアは全26話で、通常の1クールアニメが12話という事を考えれば2クール分のボリュームで最後の4話分は花田先生が手掛けています。
私が漁って来た中での昔、アニメと言えば12話か13話……2クール条件でも1クール目の話数から前半と後半で状況をガラリと変えて、結局1クールアニメを2セット観たような構成になっていたり。
そもそも原作ありアニメは確保した話数内に収まるように調節されたもの……そんな中、ゼノグラシアは26話という尺をかなりガッツリ割り振って1クール条件では実現出来ない構成というか攻勢を見せてくれました。
「脚本家の本気の仕事が観たい」という私の兼ねてからの願いを叶えてくれました。
ゲーム原作系のアニメ化作品は脚本家が仕事したのか疑う内容になってるものが私が視聴枠に選んで観ただけでも多々あって……凄かったケースと酷かったケースの落差が酷い。
でも1話24分条件という都合上仕方ない側面もありますし単発エピソードを1話に収めるなら尚更……「どれくらいの時間を与えられたか」という事情も。
幾つかはツイッターで叫んだりもしましたがその時、私が感じた通り「手を抜いた」のか「実力が発揮させて貰える状況じゃなかった」のか……最近のアニメを観てると、腕の確かさが伝わる脚本家さんって日常アニメやお仕事アニメ手掛けてるなーという印象。
だからこうして五名にも及ぶ脚本家さんが築き上げた26話によるガッツリした仕事結果を目の当たりに出来る機会は本当に貴重。
再び敬称破棄すればゼノグラシアは花田十輝、植竹須美男、吉野弘幸、山田靖智、森田繁の五人体制でこんな風に脚本家が分担してるケースがあるのは知ってましたが……第1話テロップを見た時の私は26話全部花田さんだと思ってました。
そして26話という尺を存分に使っても基本的にモンデンキントとトゥリアビータの抗争物語を一本描いた感……やっぱりアニメ12話って尺少ないのかな。
ラストの展開は24話視聴終了時の私が抱いた期待値を大分下回りましたが「このキャラどうなったんだろう?」が無いくらいメインキャラ以外もそれぞれの描写を駆け足気味ながらあったのは凄い。
あそこまで各キャラが描けて物語性のある終わり方が出来るのはあのパターンくらいなのかも。
~SideMについて~
ゼノグラシア伊織が額光らせたり主人公に悪態吐いたり……ゴキブリ被り物はそういう衣装が原作にあると思ってたら「お嬢様キャラを黒髪にして一般家庭の出にして性格も正反対に」という二次創作もビックリの一大改変キャラに。
そしてゼノグラシアは「壱号機インベルと春香とのNLもの」……作中ではインベルを完全に男性として扱ってて、千早はインベルの昔のマスター。
アイマスキャラが全般的に好きなPは「推しと推しが得体の知れない男性ポジのロボットを醜いまでに取り合ってる」様を見せ付けられ、春香はインベルにどんどんデレて行く……これだけでも月を砕けるだけの威力が出せそうです。
何しろ男性版アイドルマスター『SideM』が制作発表されたの2014年2月23日で私がアニメ1期リアタイしたの2017年10月から12月……そして最初に述べた通りゼノグラシアが放送された期間は「2007年4月から9月」。
当時のプロデューサーにNL概念があるとは到底思えませんし、今でもNTRシチュを見て苦しまれる方は多いんですよ!?
仮に「各Pはインベルを自分だと思うような感じで視聴して頂ければ」という前提ならば……「自分を巨大ロボに自己投影してご視聴ください」と要求している事になります。
それが出来て春香か千早もしくは両方が担当P……そんな条件になりそうですが、アイマス全く知らないアニメ視聴勢が「主人公がインベルという機体との馴れ初めを始めたと思いきや元カノ襲来!? なるほど俺がインベルになって一体これからどうなっちゃうのー! とすればいのか」と発想する事を期待しての……?
ともかく一連の改変要素もあってゼノグラシアは「ベクトルがヤバイ」作品という見解を余儀なくされます。
~『舞-HiME』との関係~
何でそんな方向性になったのか……その説として有力なのが2004年9月30日から2005年3月31日に全26話で地上波されたアニメもある同じくサンライズによるメディアミックス作品『舞-HiME』。
wikiを基にザックリ連ねますと本来の意味での「プロデューサーの古里尚丈さんがアイマスを忠実にアニメ化しようにもPとの双方向性、ストーリー分岐要素はアニメで再現するのは困難で原作の魅力に届かない」と悩んだ末に「それならアイマスキャラで舞-HiME作ろう」となったとの事。
入れ替えられた声優も舞-HiME繋がりで各話演出と作画監督などを務めた制作スタッフもゼノグラシアに参加。
つまり「舞-HiME制作のノリでロボットアニメ作ったらこうなった」みたいな感じと言えなくも無い……ほとんど情報を見ないようにwikiを漁ったら『舞-HiME』は学園能力バトルものみたいです。
花田十輝先生は「アイマスアニメ化で呼ばれたらロボットものと言われ冗談かと思った」そうな。
~展開がギスギスしたアニメについて~
2016年4月から6月に掛けて地上波された『ハイスクール・フリート』というアニメがあります。
アニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』は2015年1月から3月で全12話……そんな中、第1話段階のタイトルは『はいふり』で艦船繋がりの日常アニメが始まると思っていたら……1話放映後だったかな冒頭のタイトルになったの。
こんな可愛いビジュアルのキャラたちが艦船を交えて海上で……? そんな騙し討ちを経た視聴者が見た光景は「このままだと……怪我人が出る」と主人公が言い放つ、一滴の血さえ許さない日常アニメの優しい世界を意識した作品でした。
2011年1月から4月まで地上波のまどマギこと『魔法少女まどか☆マギカ』のように「可愛いキャラを酷い目に遭わせる」の後に続こうとする作品は意外にも全然現れず「暗い作品がウケる」と捉えたようなアニメが後を狙ったかのような気配だったかな。
やっと二番煎じを狙ったかのような『アカメが斬る!』の作者タカヒロ先生と日常もの作品筆頭『ゆるゆり』のなもり先生が携わった2018年10月から12月の『RELEASE THE SPYCE』も不穏は割かしありましたが、そういうコンセプトじゃ無かった事が判明……タカヒロ先生、ゆるゆりファンでした。
日常アニメタッチの可愛いキャラを描けて商業ベースにも乗れるという条件で「我が子を酷い目に遭わせよう」という作者さんは少ないという事でしょうか……と書いたものの、そりゃそうだ。
ゼノグラシアは2005年末から着手されたサンライズ作品……その前後のガンダム作品と言えば『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』2004年10月9日から2005年10月1日の全50話その間に劇場版やOVAを挟み、『機動戦士ガンダム00 ファーストシーズン』2007年10月6日から~2008年3月29日の全25話、『機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン』2008年10月5日から2009年3月29日の全25話。
SEED DESTINY→たねです→種死は日本語マジック……ゼノグラシアは2007年4月から9月なので種死と00二期の間の作品となりますね。
というか『機動戦士ガンダムUC』って2010年2月20日から2014年5月17日映像展開のOVAなんだ……全7話。
種死放送後に「ロボットアニメ作ってよ」という流れは背景要素となったのか否か……とりあえず私のガンダム知識技能を表すには初期値から更にペナルティーが必要です。
ゼノグラシアには「キャラを酷い目に遭わせたくない」というブレーキは無く、容赦が無い場面も……「我が社の大事なアイドルにそんな展開はダメだ」という遠慮も無く、各々の脚本家さんらが腕を揮いました。
でも無理してまで痛め付けたわけでは無いんですよね……過酷な状況がキャラを襲った結果でそれが多かったから。
キャラへの傷害展開を過剰なまでに避けるのは考えものですが「これくらいはやらないと」でショッキングになり過ぎるのも、と匙加減問題。
~小説での色の使い方問題~
アニメキャラは髪の色が鮮やかになりがちで、アニメ化するに辺り髪がピンク色になった作品を過去に見た記憶……気が付けば髪にメッシュが入ってるケースも大分目立つように。
アニメ版『双星の陰陽師』が2016年4月6日から2017年3月29日の全50話で、その頃はメッシュ髪キャラをまだ珍しがっていたような……何かを境に一気に増えたような。
主要全キャラがメッシュ髪の『新幹線変形ロボ シンカリオン』1期が2018年1月6日から2019年6月29日の全76話なので2017年頃にはキャラをメッシュ髪にする流れがアニメスタジオ側で出来てたのかなぁ。
しかしオリジナルの小説条件だと色よりもキャラクター性の方を描きたい事情もあり、文字数制限があるなら色の情報は省くという考えになるのも合理的。
なお私の場合――
『あかないキミの、異能世界』第1話リンク
https://ncode.syosetu.com/n6459hc/1/
キャラの髪色は様々だし「日本人でも髪色が定まらず褐色肌になるケースも多々。
遺伝子では無い何かにより人類は髪も目も肌の色も多種多様に」というような描写も……キャラの髪や目をカラフルな色にし放題にしていますが今回言及する「色」はそういうものではありません。
ゼノグラシアに戻り、インベルの胸部は色相自体だと青いですが春香との交流が重なる内に中盤話数を待たずに胸部がピンク色に塗り直されます。
それ以降はOPでのインベルの胸部もピンクになるのですが……セル画条件の手描き制作気配で細かい差分演出。
そんな風にゼノグラシアでは「このキャラがこういう外見の時はここまで物語が展開している」……インベルの胸部の色はその代表例と言えます。
色や服装に「物語の進行度」を担わせる。
変化や段階を色で表せるならば小説でも色は重要な要素と成り得る事をゼノグラシアは教えてくれました。
~ゼノグラシアの構成に関して更に~
長井龍雪監督がデザインしたロボットもの周りの設定と花田十輝先生らによる脚本……ちなみにキャラクターデザインが竹内浩志さん、iDOLのメカニックデザインが阿久津潤一さん……ゲストメカニックデザインが大河広行さんでセットデザイン青木智由紀さん……設定の構成内容の全体を眺めて私が「デザイン」と呼んでいる次第。
ロボットもの作品としても脚本目当てで観ても……ゼノグラシアの作品完成度は高水準です。
結構前に言いましたが「ゲーム原作アニメ漁っても丁寧な脚本がなかなか観れない……本気の脚本家の仕事が観たい!」という願いをゼノグラシアは叶えてくれました。
ベクトルがヤバかったと言いましたが、その数値自体を出せずに終わった1クールアニメだって数々観て来ました……私判定ながら。
例え肉付けの造形が見るに堪え無くても、味付けが酷くても……私が物書きの端くれなら見るのは「骨格」です。
肉の味に関してはゼノグラシア真の事もあって中盤話数以降は観てて辛くなって来もしましたが「花田先生の脚本と噂のロボットアニメが毎週の楽しみという配信条件で観れる」事を励みに視聴して完走しました。
そんな中盤を越えた先に視聴者を待つ光景とは――
当時の視聴者は本当にあの展開をどういう気持ちで眺めたのか……それでも「骨格」としては本当にプロの仕事です。
あの光景に至るまでの今までの出来事……その結実となるあのシーン。
ゼノグラシアの見所と言うにはベクトルがヤバイ。
しかしそれだけの値まで膨れ上がる作品という事は演じる側……声優さん側の「手応え」もその数値に至るでしょう。
人間の負の感情同士の激突を描いたシーンやゼノグラシア真のような苛立ちの裏にある心境。
複雑化して行く人間模様の中で演じる役柄が難しいなら、そこから得られる経験は相当なものに。
こういう展開のアニメじゃないと体験出来なかった要素が各々のキャラを演じられた声優さんに在った事でしょう。
だから私のゼノグラシアの感想の中には「収録現場の満足度高かっただろうなぁ」というのが……しかし問題なのが「それは視聴者には評価されない項目」。
舌に触れて、とても堪えられない感触や味覚に見舞われたら「不味いっ!」と叫びたい衝動が押し寄せ後味の悪さが続き、心が抉られるような思いをしたら「辛い……」と苦しむしか無いんです。
それでも話作りに迷える方には教えてくれる……「脚本とはこうやるのだ」と。
ゼノグラシアは本当に脚本が丁寧なんですよ……急にキャラが展開だけの為に当然よく解らない行動をしたり、「これで解決とか無理あるでしょ」みたいなズレた事態収拾……そういうのがありませんでした。
それは長い尺の中に布石やら兆候を散りばめ「遂に成るべくしてなった」という納得性が到達感へと昇華されていたから。
だから『アイドルマスター XENOGLOSSIA』は話の構成作りに悩める物書き勢の方に是が非でもオススメする「黒い教科書」です。
使われている「骨格」と展開に必然性が生まれる理由を理解すれば、その「骨格」でこれクラスの脚本作りが出来る。
ベクトルの向きを変えれば日常アニメのような平和で穏やかな話での大きな感動を書く事も可能……強烈なシーンの作り方のお手本がゼノグラシアには在るんです。
~さいごに~
アカウントをお持ちの方はこの活動報告にコメントをする事が出来ますしツイッター名このままなのでリプライする事も出来ます、とだけ……タグツイもしましたし。
一度書き上げて少しは手直ししたら1万2000字近くになってました……第1話増量してる拙作が大体3話目まで読める文量。
それでは、ここまでお読み頂いた方がいるのなら、ありがとうございます。
竜世界と申す者でした。
『あかないキミの、異能世界』
https://ncode.syosetu.com/n6459hc/