小ネタ 竜牙の無限転生記(DOG DAYS編)
2011年07月12日 (火) 00:46
「お館様~」
「うん? どうしたでござるかユキカゼ」

動物の耳や尻尾を持った種族が暮らす世界、フロニャルド。
その世界のビスコッティ共和国の外れにある森の近くの家にその二人はいた。
狐耳と狐の尻尾を持った少女、ユキカゼ・パネトーネと、ござる口調で話すブリオッシュ・ダルキアンである。
ビスコッティ共和国の自由騎士であるこの二人、かなり自由な権限があるのだが今回はユキカゼが何か情報を仕入れてきたようである。

「お館様。リコが新しい召喚方法を見つけたようですよ!」
「ほぅ。それはすごいでござるな」

ユキカゼの言ったリコとは、ビスコッティの主席研究士であるリコッタ・エルマールのことである。
若いながらもかなり優秀で、今回は勇者を呼ぶとされている召喚の儀の別の方法を見つけたようである。

「え~っと確かこの召喚では詠唱で行えて……ルーテ・ホルス・シュテルン・デスタ――」
「大丈夫でござるか? 何の準備もなしにそんなの唱えて……」

その方法を教えるためなのかいきなり詠唱を始めたユキカゼにダルキアンは止めようとする。

「大丈夫ですよ。そんな簡単に……」

そのとき、二人の目の前で何かが光りだした。

「「――なっ!!?」」

まさか本当に召喚されたのかと焦る二人。
そんな二人をよそに光は徐々に人の形を成していく。
そしてその光が弾け、そこに姿を現したのは……。





「――ん?」
「「……」」

ジーンズに黒いロングTシャツを着た青年が、真っ赤に焼けた剣に近い形状の金属を何故か地面のほうに刺そうとしているところだった。
青年はいきなり変わった周りの光景に若干困惑しているようだったが、すぐに事態に気づいたのか慌て始める。

「ちょっ!!? どういうことだかわからんが水水!! 焼入れしていたっていうのに!?」
「あ、あぁ!!」

地球から来たイレギュラーな勇者と自由騎士オンミツ部隊の二人との出会いは慌ただしいものであった。



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前々から構想はできていたんですが、なかなか文章にできなかったのでココで公開。
無論このときの青年は竜牙です。
この後シンクとオンミツ部隊とが初めて出会った場面になって、竜牙が血牙と爆癒による襲撃でビスコッティを支援、自身で名乗りを上げます。
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