お茶を濁す裏設定紹介「ジュゼ編」
2017年06月17日 (土) 22:59
研究に追われ、お祈りメールが届き、順調に精神が磨り減っていているこの頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。久しぶりの裏設定紹介コーナーです。


今回は予告していた「アルラウネ」……ではなく、それに見た目だけよく似た「ジュゼ・オーギュスタス」という魔物について紹介しようと思います。今作のモン娘ポジです。元々別作品の主人公にと考えていたキャラということもあって設定は多いです。



ジュゼの外見を簡単に言えば「ディスガイアシリーズに出てくるアルラウネ」です。大輪の花の中央から緑色の人が生えていて、かつ全裸ということでこの姿を想像した人は多いと思います。


しかし見た目はアルラウネながらも実際には人間+ハンニバルフラワーの合成魔物ということで、色々と差異が発生しています。
特に顕著なのが消化器官の違いで、アルラウネは人間の口から食べて土の下に排泄するのに対し、ジュゼはハンニバルフラワーが持つ牙付きの触手から食べて土の下に排泄します。要するに、消化器官は丸々ハンニバルフラワーのものを使っているということです。


ではジュゼの人間部分、そのうち脳以外の部分は生物的にどういう扱いかというと……ド直球に「雌しべ」です。生殖器官です。雄しべはありません。
肺も心臓も消化器官もその名残を残すばかりで形として存在せず、全身の臓器が「受粉」に特化した構造になっています。勿論その用途に関わる感覚も鋭敏化しているので、ミーシャとはまた違った意味で全身性感帯娘と言えるでしょう。番外編頑張ります。


そんなジュゼですが、先にも述べた通り種族はアルラウネではありません。ではジュゼの魔物としての正式名称は何かというと――「ハンニバルフラワーパッチワークゾンビ」そう、ゾンビなのです。


そもそも人の蘇生というものは、技術的な問題と同じくらい倫理的な問題が発生します。特に顕著なのが生き返った人間の扱いについての問題であり、本作品の舞台であるハルフェラル帝国内では「蘇生後に人間としての本質が変質していないもの」のみを人間として認めています。


その点ジュゼは人間としての思考能力、判断能力こそ変わらないものの外見、食性、身体的特徴はもはや人間とは言えないレベルで変質してしまっています。その原因が死霊魔法による「人体の加工、異種の死体の合成」である以上、高位の龍種と同様に一つの知性として接することに関して問題は無くても、法律上人として認めるには難があるということです。


その上でジュゼをどのようなカテゴリに入るかを考えた場合、一番しっくりくるのは「死霊魔法等によって加工された死体であり、術者の意に沿って動くもの」つまりゾンビなのです。術者と死体が同一人物だとしても矛盾は発生しません。


このように実はモン娘どころか定義上はゾン娘だったジュゼですが、その実力は可愛げが一切無いものとなっています。魔物がひしめく迷宮の中で100年近くを、独力で、自給自足で生存してきた彼女が弱者であるはずがないのです。


その強さの根源となるものは非常に多く、この場では語りきれません。ですが一目で「強い」と確信できる彼女固有の能力が二つあります。


一つは100年近い時間をかけて広げた特大の魔法陣。これは本来水分や養分を効率よく得るために伸びていくはずの根を、生体を用いた強力な魔法陣になるよう恣意的に成長させていったことで完成したものです。
ジュゼの作り上げた魔法陣は非常に巨大で、その直径は帝都のような大都市がすっぽりと収まってしまうほど。しかも通常では平面であるはずのそれを、地下で立体的に組み上げることで単位面積あたりの性能を飛躍的に上げています。これは魔法戦において絶対的なアドバンテージとも言え、この魔法陣の影響が及ぶ範囲でジュゼに真っ向から撃ち勝てる魔導士は常識の範疇には存在しないでしょう。強い!


二つ目はその魔法陣が身体の一部であることを利用した規格外の自己蘇生魔法です。
自己蘇生魔法は本来、自分の肉体がある程度残っていなければ成功率が低くなります。これは幽体離脱の最中に操れる魔力が少なく、肉体の修復に多くの魔力を使えないことが原因です。
しかしその肉体が魔力の増幅装置としての役割を持つ魔法陣であるならば、非常に少ない魔力と時間で肉体の修復と魂の回帰を行うことができます。つまり言い換えればジュゼは自らの根でできた魔法陣を完全に破壊されない限り、即座に完全な復活をすることができるのです。凄い!


ですが、彼女の魔物としてのランクはそこまで高くありません。高くてもBランクが関の山です。


そのうち本編でも触れますが本作品における魔物のランクは、Aランクまではその戦闘能力のみで判定されます。しかしSランクだけは非常に特別な扱いで、このランクだけはその強さ以上に「その存在が人類に致命的な被害を与えるか否か」「その対処に国家権力、あるいはSランクの実力者が必要となるか」を基準に判定されます。


その点で言えばジュゼは人類に対して敵対的ではないため被害が存在せず、また対処が必要になった場合でも腕利きのレズを一人送り込むだけで事態が収束するので、どれだけ規格外の実力があろうとAランクを超えることはないのです。


むしろどこぞのFランクの冒険者にも負けてしまう分、ランクはより下がってしまうでしょう。人類にとって驚異的でないものに、より危険度の高い評価を下すはずがないのです。


そして実際にFランクの冒険者達が無傷で屈服させる例に関しては、後々の番外編にて……


次回は本編でただの噛ませだったSランク魔物(笑)ことウロボロスについての解説になると思います。
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