なんか退魔で親子でのほほんで昼行灯で変身ヒーローな話を求められたから、即興でこんなん考えました。

どうでしょ？w

※※※

日本国降魔課……政府機関の概要には記されていない、超常の陰魔を狩る者達。

己らが力を増すために人を憑き殺す陰魔は、時折生まれ出でる『まつろわぬ者』を喰らえば祟り神と化すと言われていた。

『まつろわぬ者』を守り、陰魔を狩り続ける降魔課の中に、課長以外誰も正体を知らない男の名が記されている。

―――《七殺》の久遠。

彼のプロフィールには、ただ一言、降魔課の中でも特異な能力と言われる『神降ろし』の力を持つ、とだけ書かれていた。

首都の郊外にある平和な都市の片隅に、1組の家族が一軒家に住んでいる。

専業主夫である天野クオン、キャリアウーマンで大黒柱の天野マナカ、そして今年2歳になる天野ミカボシちゃんである。

のほほんとして無精髭にボサボサ頭、どこか間の抜けたクオンは、ご近所さんから『ヒモ』などと呼ばれている。

しかし娘は可愛いし、それなりに幸せに日々を過ごすクオンには、裏の顔があった……。

天才降魔士と呼ばれた彼が愛する家族は、陰魔に狙われている。
マナカは鳥居の巫女と呼ばれる、ホツマという史上最高の陰陽師を祖をすると言われる家系に連なる者であり、ミカボシは『まつろわぬ者』であった。

二人は、その事実を知らない。

政府の密命を受け、ミカボシちゃんの検診のついでに邪悪な陰陽師を退治したりする生活を送るクオンの前に、ミカボシちゃんを狙う陰魔が現れる。

彼は、天才と呼ばれる能力を使い、陰魔対峙する。

「我は臨める兵、闘う者。皆護の陣を敷き、烈情を以て人前に在り！　金神よ！　艮方より出で、我が総身を夜叉と化せ！」

無数の封印符を全身に纏い、注連縄でそれを縛り上げてさらに封じ、祀りの印を刻んだ夜叉の面を被った久遠は、怯える妖魔に名乗りを上げる。

「我は、《七殺》の久遠―――家族に手を出すのなら、魂ごと六道輪廻から消え去れ」

ひとつ間違えば自身の魂が祟り神に取り込まれる紙一重の秘技―――『金神の神降ろし』こそが、久遠が天才と呼ばれ『まつろわぬ者』を守る極秘任務に従事する所以。

そして、凶の存在を最凶の力を以て陰魔を消し去った久遠は。

今日もその『夜更かし』のせいで寝坊して、マナカに怒られるのだった。