2019年01月28日 (月) 23:07
ちょっと自分の書いている物語についてのお話を。
今書いている『亡国の系譜と神の婚約者』について思うのは、良識ある人物が非常に多く、心の底から嫌な奴だと感じる人物がいないってことなんですが、悪人は一人だけいます。それがこの活動報告のタイトルに書かれてあるヒルダ・ヴァレーズなんですが、改めて思い返すと、彼女がいなかったらこの話、ぜんぜん間がもたないんですよね。
それでちょっと前に、本作の女性キャラで誰が好きかっていう質問をなろうやツイッターでいろいろな人にして、ついでにシェリー(ヒロイン)、ソフィ(本作の重要人物)、ヒルダの三人についての印象も聞いたのですが、ヒルダだけひとつの悪評も出なかったんですよ。中には同性としてちょっと憧れる部分があるなんて意見もあって、ちょっとビビってます。なんだろう、サイコパスが一見魅力的に見えるっていうあれなのか……。
かく言う僕も、彼女には魅力……というかカリスマ性を感じていて、なんというか、彼女のようなナルシシズムとサディズムと高い能力を兼ね備えた人物って、ニーチェの言う善悪の彼岸に自然に立てているんじゃないかと思うんです。ニーチェは攻撃的なところがあんまり好きじゃないんですけどね。
自分が世界の中心であること以外の(善悪を含む)あらゆる価値観を意に介さないような、そういう振る舞いが自然にできる人物。すごく魅力的というか、こんな自信に満ち溢れた人になりたいって考える人は、案外多いんじゃないかと思うんです。
彼女が敵対者をバンバン暗殺していくスピンオフとか書いたら本編よりウケるんじゃないかとすら思うんですが、ソフィとこの人は作者のキャパを越えてるので、書ける自信が微塵もないです。マグネットあたりで、許可制で二次創作OKにして、本作を気に入ってくれている方に書いてもらうのもありなんじゃないかと思ってるんですけどね。
オチがなくてすみません。
ああいうタイプは良くも悪くも物語の振れ幅を大きくしてくれるんですよね。
制御に関しては、作者がどれだけ物語をコントロールできるかという腕の見せ所だと思うんですよ。
そういう意味ではこれからが大変だと思っています。
でもやっぱり、一番大変なのはソフィですわ。完全にキャパオーバー。