タイトルメモ『獅子身中の伝霊兵』
2018年04月24日 (火) 20:56
OP

多くの人(キャラクター)は自身をプラス(上昇)方面へ持って行き、そしてその維持を目標に動いています。
ステップアップってやつです。
キャリアアップだったり、スキルアップだったり。

人生の経験という積木を積み上げて、自分を良くするのが目的。

主役や味方陣営は何かしらを『得て』成長し、過去の彼らと変わる。
それが物語。
『奪っていた』悪役はそれを失う。清算される。悔い改めて味方に変わる。

では、奪われていた物を『奪われた者』が奪い返すのは悪なのでしょうか?
奪った苦しみを相手に同じ苦しみを与える。
おんなじものをおんなじように。
過去の法典では第三者が与えていた。
公平になるように。

だけどそれでは不十分では?
本人が暴力によって与えていた『傷』だけでなく、暴力によって得ていた『嗜虐心』
『高揚感』は、見ているだけでは得られない。
打ち込まれていた心の楔を同じように叩き込むには到底足りない。


そう、だから、
被害者が、その暗い憎しみを、直接叩き込まなければ同じようにはいかないのでは?


やった後の虚しさ、後悔。
それが例え見えたとしても、やらなければ心の楔が抜けないのなら、過去の自分と決別するため、今の自分に足りないものを『手に入れるため』、復讐に身を堕とすことは悪なのか?

いや、違う。
悪じゃない。
何かを『得』、前の自分と変わることが悪であるはずがない。
それは『正義』と呼ばれるモノだ。

だから、奪おう。
地位を、名誉を、尊厳を。
信じて止まない己の正義で、
あのクソ将軍の全てを奪う。




---------解説----------

隣国との戦争で、戦略上の都合により『意図的に』見捨てられた村の生き残りの少年。
少年は見捨てた軍を指揮していた将軍--現英雄に復讐すべく、パレード最中の将軍に攻撃するが、取り押さえられる。
取り押さえた少年を処罰すべきだと将校は訴えるが、将軍はそれを拒否。
きしくも『精霊』をその身に宿していたため、生身の人間よりも素早く報告を行える『伝霊兵』として抜擢される。
処罰しない条件として、『嘘をつかない』という縛りを課せられて。
最初は疎まれていた彼も、国内でのゴタゴタの解決、隣国との小競り合い、盗賊狩りなどでその力を行使しているうちに徐々に認められていく。
軍での生活に慣れた頃、隣国との大規模な戦争が発生する。

その戦いに一伝霊兵として従軍し、ついに敵本陣を発見する。
奇襲するには絶好の箇所で休憩している敵軍、その位置を即座に本陣に報せれば自軍の勝利は間違いなかった。
ただ一つ、

進軍途中の村を一つ犠牲にさえすればーー。


そして、邪な思考が頭を過る。
敵軍に味方の情報を漏らせばあの将軍を倒せるのでは。

彼は必死に考える。

己の正義、苦渋、憎しみ。志。
新しい仲間と過ごした日々。薄れていく村での記憶。

あらゆるものを天秤にかけ、彼は仲間と友を敵に売る。
全ては己の『正義』のために。
コメント全2件
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鷽憑真実
2018年04月24日 22:19
じゅーさん

毎度コメントありがとうございます!

考えの元は「桶狭間の戦いで信長に伝える最初の伝令兵が嘘をついたら?」と「本能寺の変」で信長を倒した黒幕は力をつけて重用されるようになった一般兵だったら?
をなんとなく妄想してたらこうなりました。
……なぜ最初の伝令兵が天海だったら面白そうなどと考えたのでしょう…?

それはさておき、じゅーさんもファイト! です!
友理 潤
2018年04月24日 21:55
すっごく熱そうなストーリーですね!

ファイトです!!