2016年11月18日 (金) 08:37
はっきり申して、「名前」というのは、「識別用文字列」です。
私が名前に求めるのは、「分かりやすいこと」です。
すなわち「覚えやすいこと」、「区別がつきやすいこと」です。
たとえば、主要人物の名前が、「ポラマントコラペチカネチェットさん」なんて名づけてごらんなさい。読者からしたら、名前を覚える気持ちが吹っ飛びます。
だからと云って、「太郎」や「次郎」が、分かりやすいかというと、そうでもないです。
いえ、確かに、名前そのものは、これ以上ないほど覚えやすいです。
でも、「それが誰の名前なのか」について、覚えやすいとは限りません。
むしろ覚えやすいのは、そのキャラクターを想像させるような名前です。
かわいらしいキャラクターなら、「チャロ」とか「ピノ」とか。
武骨なキャラクターなら、「ゴンザレス」とか。
もっと覚えやすいのは、いっそ名前らしさを捨てて、役柄から付けます。
「白髪の兵士」とか「川向こうの木こり」とか。
端役には、なるべくこういう名づけが良いかもしれません。
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苗字と名前についてです。苗字は要りますか?
「田中 太郎」、「曽我部 陽一」、「石野舘 草道」
これよりも、
「田中」、「陽一」、「草道」
この方が、スッキリしますでしょ?
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「クロ」、「ポチ」、「シロ」
文字数も、ばらしましょう。
「クロンダイク」、「ポッチ」、「シロ」
この方が、見分けがつきます。
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「クロ」、「クマ」、「コマ」
語感やイニシャルも、ばらしましょう。母音を変えるだけでもグッドです。
「ミロ」、「クマ」、「バス」
マシになりましたが、文字数を変えた方が効果的です。
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やはり、そのキャラクターに合わせることが大事です。むしろ、キャラクターと名前が合ってしまうと、似たり寄ったりな名前でも、まあまあ平気です。
例えば、「赤鬼」、「青鬼」
見た目で分かりますからね、「あ、赤い鬼だから赤鬼なんだな」と。
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改めて云います。人物名で重視してほしいのは、
『誰が、誰だが、分かるようにする』
です。