タイトル未定の試作品です
2012年01月13日 (金) 14:29


 俺は何処で間違えた?



 ――何で小西先輩を見殺しにしたんだよ!!



 何がダメだったんだ?



 ――君ってほんっと、サイテーだね



 コミュランクに執着して人付き合いをしたから?



 ――私達、ずっと騙されてたんだ……



 無理矢理にでもストーリー通りに進めようとしたから?



 ――見損なったっすよ、先輩



 最初から犯人を知っていたのに何もしなかったから?



 ――なんか幻滅って感じ



 菜々子ちゃんを……救えなかったから?



 ――貴方のそれは、ただの独り善がりです



 ……あぁ……そっか。

 答えはとても簡単で単純な事だったんだな。


 そもそも、俺がこの世界に居る事自体が間違いだったんだ。

 死人はそこでそのまま死んでれば良かったんだ。

 転生なんて大層な事望まなければ良かったんだ。



 俺はこの世界で生きようとした。

 その代償として物語は壊れてしまった。



 だから、俺を刺し貫いているこの無数の剣は罰なのかもしれない。
目の前に居る神の、イザナミからの天罰。
そう思えば、こんな状況に成るのは当然の事……か。




 ――センセイ!しっかりするクマ、センセイ!!



 クマ……

 お前はホント優しい奴だよな。

 こんな最低野郎の頼みを聞いてくれるなんてさ。

 黄泉比良坂まで一緒に行こうなんて我ながら無茶なお願いだったんだけどな。

 文句の一つも言わないで付いて来て。
それどころか、俺に励ましの言葉をくれて。
しかも、此処に居ないりせの代わりにナビまでしてくれて。



 ――あわわわわ!このままじゃセンセイが死んじゃうクマ!!



 そんなこいつに何も返せないなんてな。

 本当に…ゴメン……



 ――人の子よ聞こえているか?



 ……ん、イザナミ?



 ――君は今、大きな後悔をしている様だね



 流石は神様だな。
さらっと心読みやがって。



 あぁ、そうだよ!
色んな事をスゲー後悔しまくってるよ!!


 もっと上手く立ち回れたんじゃないか……とか、
絆を大切に出来なかったな……とか、
戦うための力が全然足りなかった……とか。

 数え切れない程の後悔が有るっての!!


 それがどうしたってんだ。



 ――いや、なに

 ――もう一度君にチャンスを与えようかな、と思ってね



 ……なんでそんな事するんだ?



 ――これと言った理由は無い



 はぁ?

 なんだそりゃ。


 意外と気分屋なのか?



 ――元来、神とは気まぐれなものさ

 ――それと、今重要なのはそこじゃない

 ――そうだろう?



 ……でも、俺が介入する事で物語が壊れちまった。

 本来死ぬはずじゃない人達が死んだ。

 みんなは生天目が犯人だと思ったままだ。

 だから、足立もアメノサギリも一人で対峙しちまった。

 今だってそうだ。

 俺とクマだけでイザナミと戦った。

 そして……無様に負けた。



 ここであんたからチャンスを貰ったって、
俺がそれを生かす事が出来るかどうか怪しい。



 ――はぁ……随分とネガティブになったね



 まぁ、な。



 ――だけど、私が聞きたいのはそう言う事じゃ無い

 ――君自身がどう思っているかを聞きたいんだ



 俺自身……が?



 ――そうさ

 ――建前や理論的考えじゃなくて

 ――君の心に聞いているんだ



 お、俺は……俺は……



 ――さぁ、聞かせてくれ

 ――他でもない君自身の言葉を



 ……やり直したい。

 俺はっ!……もう一度やり直したい!!

 そして、今度こそ最良の結果を掴んでやる!!



 ――ふふっ、それでこそ私が見込んだ者だ



 くっ……なんだ…急に、眠気が……



 ――次に目覚めた時、君の試練は再び始まる

 ――私が言うのは可笑しいのかもしれないが

 ――今度は悔いの無いよう、精一杯頑張るんだよ



 ……わか…って、る……ての……

 あっ…ダメ…だ……げん、か……い…――――



 ――雨の日はあの場所で待っているからね
























 《転生者/愚者》は足掻く。
自身の知る最高の《終幕/エンディング》を目指して。

 その果てにあるは何なのか。

 それは誰にもわからない。





 さぁ始めよう!《二度目の試練/二週目》を!!



 

 
 『ペルソナ4』の二次操作の試作品です。

 余裕が出来たら本当にやろうと思ってます。
 
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