2018年04月13日 (金) 12:17
これを書いている今、この記事を読んでくれる人なんかほとんどいないだろうけど、いつか来て欲しい将来のためにこれを書こうと思う。
ようやく受験を終えて、大学に通い始めた僕。前回書いていた長編小説は、そのストーリーに突然全く魅力を感じなくなって書くのをやめた。自分がオマージュしようとしていた元の題材の本を読んでも、何故かやたらとつまらなく感じた。精神的な成長があったのかもしれない。或いは純粋で単純なストーリーを毛嫌いする傾向が身についてしまったのかもしれない。
だからと言って、例えば、主人公がやたらとかっこいい物語が嫌いになったわけではない。今でもそういう小説は読むし、自分だってそういう小説を書く。所謂「主人公無双」など、単純極まりないと言われても仕方が無いのに。しかしそれは、主人公がいさえすれば状況が打開されてゆく、みたいなストーリーに対して言われる言葉なのだろう。
要はどれだけストーリーを作っていけるかじゃないかと思っている。最強の主人公によってストーリーを押し進めるというよりは、状況と呼べるようなストーリーの上で、最強の主人公が生きているというものを、自分は書きたいと思っている。その主人公が生きる状況を、書き手が作ってゆくのだ。それによる作品は決して、単純な主人公無双モノになったりはしないはずだ。非現実的と言われながらも、人間が本能的に理解できる何かの上で成り立っていて、どこか共感できる、そんなものが書きたいと思う。
これを書く数分前、自分が一年ほど前に書いた短編を読み直した。結果、あまりに稚拙で驚いた。よくこれを載せたな、と。
けど、今更消すつもりはない。過去の作品も含めて僕の作品だ。あれはあれで、当時の自分が完成させた作品なのだから消す理由は無い。
今、大学の図書館にいる。二限が終わり、皆が昼食を取るためにごった返した食堂へと向かってゆく時間だ。自分は適当にパンか弁当で済まそうか。人と関わるのは好きだが、人が多いのは嫌いだ。
少しずつ夏の香りがしてきたキャンパスの中で、色んな「状況」だとか「世界」を考えながら、適当なものを食べるとしよう。