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　佐藤大輔のクソ野郎が死んだ。

　彼の書く小説の多くが傑作と言っても過言ではなく、人物と世界と深みと激動の流れ、血と鉄と科学と夢と皮肉に溢れた小説・物語たちであった。
　しかし、一作を除いて尽くがいづれも、未完・未完・未完。

　彼の作品は尽く素晴らしかった。だがそれゆえに読者は憎んだ。

　「皇国の守護者」が漫画化して傑作との評が固まると喜んだ。そして原作の佐藤のせいで（原作全9巻の内2巻くらいの内容で不自然に）打ち切りになって「またか」暗い顔でため息を付く。

　「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」が人気漫画になり、更にはアニメ化にもなって喜んだ。もしかしたら御大（佐藤）がアニメ化でいくらかやる気になるかも知れんと思ったからだ。もちろん杞憂だった。


　多数の戦記ファン、戦記作家に多大な影響を与えながら、良い小説は生み出せど、決して”良い”作家ではなかった佐藤大輔という一人の作家。

　佐藤大輔は死んだ。
　皮肉で言われていた未完の傑作達は、尽く真実の意味で未完の傑作となった。

　様々な人々の人生と趣向を狂わせた男が死んだ。

　彼は最高で最悪だった。

　ちくしょう。ご苦労様でした。

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★＜訃報＞佐藤大輔さん52歳＝作家 （毎日新聞） - Yahoo!ニュース

★「征途」「皇国の守護者」の佐藤大輔さん死去、シリーズほぼ未完に - エキサイトニュース

★佐藤大輔 - Wikipedia

★ハッシュタグ　#佐藤大輔 - Twitter検索

★ハッシュタグ #大サトー - Twitter検索
　↑佐藤大輔がどのようなものを生み出し、どのような作家だったかが良く分かるハッシュタグ。

★ラノベ作家としての佐藤大輔＝豪屋大介　エロスとバイオレンスとビッグマウスと - 周回遅れの諸々
　「A君(17)の戦争」は私が人生で初めて読んだライトノベルだった。あれで道を踏み外した感は今だにあるが後悔は無い。

★佐藤大輔の訃報に呆然としたのでどんだけ影響されたか書いてみたお話
＞クソのような人格から神が生まれる
＞佐藤大輔は「クソのような人格から素晴らしい作品が生まれる」を体現した人

　諸手を挙げて頷かざるをえない！

作家・佐藤大輔さんへの追悼の言葉 - Togetterまとめ
　ハッシュタグではわからない佐藤大輔ファンに言葉。

★【エッセイ】『佐藤大輔のクソ野郎が死んだ』作者：ベギンレイム
　私がエッセイを書いた。


　皮肉な話だが、あんたが全国ニュースで訃報が載るほどの作家だったと、初めて知ったよ。地獄で誇るといい。

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▼佐藤大輔のおそらく代表的な作品（●は私が読了してるもの）

●征途（1 - 3巻、完結）原初にして唯一にして最後の完結作
　レイテ沖海戦後にアメリカ上陸部隊への艦砲射撃を実施し成功（マッカーサー死亡）してしまい終戦が遅れた世界で、それゆえに北海道半ばから以北が共産主義国家なって分かたれてしまった日本を舞台に、南北で別れてしまった兄弟を柱に、統一戦争までを描く傑作架空戦記。戦艦大和大活躍。

・レッドサン ブラッククロス（1 - 7巻）
　ウィキペディアよりコピペ。二・二六事件から歴史改変を行い、日独伊三国防共協定が成立していない状況での世界大戦、という視点から製作されたウォー・シミュレーションゲームが『レッドサン ブラッククロス』である。アメリカ合衆国はモンロー主義に縛られ介入せず、中近東からインド周辺までの地域で日独の戦力が激突するという従来に無い斬新な設定は多くのファンを獲得した。
　代表作。

●侵攻作戦パシフィック・ストーム（1 - 3巻、外伝1巻）
　アメリカ南北戦争で、南部の独立が果たされた世界。ドイツは二次大戦でヨーロッパを統一。日英同盟は堅持され、アメリカ合衆国は、結果として日本、英国、南部アメリカ、カナダと四方を仮想敵国に囲まれてしまう事態に陥る。その打開案として、日本への奇襲作戦が秘密裏に計画される……。

●遥かなる星（1 - 3巻）
　キューバ危機が現実となり、アメリカ合衆国大統領の核ミサイル発射命令が僅かに遅れたがゆえに、アメリカ合衆国は崩壊し、傷つきながらもソ連は生き残り、そしてなぜか日本が無傷で生き残っちゃった世界。全面核戦争が起きた絶望からか、日本は傍目から見て異常なほどに宇宙開発を突き進めるのであった。

●地球連邦の興亡（1 - 4巻）
　異星文明との文明の生死を賭けた星間戦争を講和という形で終わらせることに成功した地球連邦。しかし、戦時中の過大な鉄鋼需要からの終戦による急速な鉄鋼需要の低下により、鉄鋼に特化してしまった惑星での急激な不景気による治安の悪化と、出生差別つまり”クローン”への差別感情が噴出。とある惑星で過激派の武力蜂起の懸念が強まる。

●皇国の守護者（1 - 9巻）
　ファンタジー戦記の傑作と言い切ってもいいだろう。六つの花弁を持つ桜が存在する、テレパシーと飛竜と天龍（ヘビ型の空飛ぶ知恵持つ龍）が存在する世界。ヨーロッパとロシアを合わせたような大国”帝国”と、日本をモデルにしたような国”皇国”が、貿易不均衡による経済的な国家摩擦により帝国は皇国の大きい島”北領”へ突如侵攻。会戦にて負けた皇国主力の撤退のための絶望的な後退戦を命じられた新城直衛中尉は、底意地の悪い戦い方により撤退戦を戦い抜き、そしてその悪辣なまでの戦いぶりにより本人が望んでもいないのに頭角を現し、最終的に皇国そのものを変えてしまうのだった。
　幼女戦記が好きな人の大抵は嵌りそう。
　よく戦記クラスタへ「幼女戦記」を説明するわかりやすい有名な例えとしてこんなものがある。
「新城直衛が幼女になって空飛んできた。何を言っているか分からないと思うが、ほぼあってる。」

●平穣クーデター作戦 静かなる朝のために
　平壌で、日本人拉致被害者の血を引いている将校がクーデターします。

・エルフと戦車と僕の毎日I パンツァーエルフ誕生（上下巻）
　Amazonよりコピペ。ある日ミリオタの高校一年生・ユタカは気がつくと独立戦争の方針を立案するエルフ達の秘密会議の中にいた。時代は、「第五帝国」と「大生命圏共和圏」に分かれたヒト同士の長きにわたる大戦が終了し、新たな秩序がうまれる変革期。3000年前ヒトに祖国ウファルムを追われたエルフ達は、この機を千載一遇のチャンスとして、祖国を奪還すべく立ち上がろうとしていた。しかし、エルフ達の軍隊は軍隊と呼べるようなものではなく、武器も兵力もなく…。そんなないないづくしのエルフ達をみかねたユタカは、ミリタリー知識を活かし協力を申し出るが―。
　あらすじがラノベラノベしてる！

●【マンガ】皇国の守護者（作画：伊藤悠、集英社、全5巻）
　傑作。そして打ち切り……。

●【マンガ】学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD（作画：佐藤ショウジ、富士見書房、1 - 7巻）
　ゾンビとJK美少女とおっぱいがいっぱいなナニカ。こいつのせいで一時期オブザデッドが妙に流行った。

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