エルフの里編あとがきと報告!
2018年11月26日 (月) 20:37
 こんばんは。さとねです。

 三か月に及び書いてきた欠陥魔道書、エルフの里編完結です。
 三か月で12万字だから、割と僕にしては頑張ったんじゃないかなとは思います。
 まだまだ遅いですけどね。元々遅筆な人間なのでもっと早く書けるように頑張ります。

 さて、例のごとく後書きに書いたらめちゃくちゃ長くなりそうなのでこっちに書くのですが、その前に報告だけ。
 欠陥魔導書の二章が終わり、三章が始めるところですが、僕のもう一つの連載作「俺と天使のワンルーム生活」がエルフの里編始まってから完全にストップしてしまっているので、先にそっちの完結ために専念させてもらおうかなと。
 頑張ってどちらも書くのが一番なんですけど、まだ三章のプロットも出来上がってないので、ちょうどいいかなと。
 なので、今年中の欠陥魔導書の更新はまずないと思っておいてもらえると幸いです。更新する際にはTwitterなどで報告しますのでそのときに。
 もし欠陥魔導書を読んでいてワンルームを読んでいない方がいたら是非読んでみてください。今の僕を作ってくれた作品なので、僕の文を面白いと思ってくれる方なら楽しんでくれるんじゃないかなって。

 では、これから先は全部エルフの里編の後書きです。時間があればどうぞ。
 まず最初に、今回のエルフの里編は「新たなキャラと共に風呂敷を広げつつ、ほぼほぼ主人公なシアンとエストスを全力で助けたい」っていう願望を詰め込んだものを形にしたらこうなったって感じです。
 この物語の初期メンバーであるシアンとエストスに関しては、スワレアラ国編以上に掘り下げていきたいと最初から思っていたので、結構満足していたりします。
 その中でも少しずつこの物語の大きな本筋に触れていくような描写をしていたり、最終章への伏線も張ったりなどしていたので、かなり頭を使ったかなという感じです。
 基本的にスワレアラ国編では伏線を章の中でほとんど回収するように構成していたのですが、予定は風呂敷を広げる、でしたので今回は章の中での伏線は少なめにして自縄自縛を避けることにしました。上手い人ならバンバンはってしまうのでしょうけど、僕はそういったタイプではないので。
 そして今回は二つの行間に様々な情報を散らばせてみました。
 実はエルフの里編の最初の行間「――地点」が書いていて一番頭痛に悩まされた話だったりします。なんていったって魔王出てますからね。魔王ですよ、魔王。
 ほんのちょっとだけ言うと、魔王は次の章にちょっと、最終章はがっつりの予定です。
 敵か味方か、そこは秘密で。
 多分ほとんどの人は予想できない展開だと思いますし、他のどの展開よりも熱いものになると思います。はい。なので、どうか最後まで応援していただければ幸いです。
 では、前回同様各キャラについて。

 ハヤト
 うん。いつものいつもの。
 ただ前回との違いは、シアンとの共闘でしょうか。
 全てを守る、というよりは全てを守れるように皆で戦うって感じになりましたね。
 まあなんだかんだで彼がいないと何も始まらないのだから、やはり主人公ですね。

 シアン
 前回の後書きのように、今回の主人公はシアンだ、と言ってもいいくらいの最後の大活躍。あ、エストスはヒロインなので。主人公枠ではないということで。
 スワレアラ国編のシアンとエルフの里編のシアンは、同じようなシアンでも、ハヤトのおかげで芯に一本通ったシアンになってくれたのではないかなと。
「誰かを守れる、シアンになりたい」というセリフはエルフの里編を書くにあたって最初から書きたかったセリフの一つで、マゼンタ対シアンに関してはシアンの設定を最初に考えたときから想定していたのでちゃんと形になってよかったなとほっとしています。
 もちろんこれからも活躍してくれるので、応援してあげてください。

 エストス
 エルフの里編のメインヒロインです。
 あんなエストスもいいでしょう? なんて言ってみたりもしますが、完全に僕の趣味ですね。好きなんです。あまり笑わないお姉さんキャラの満面の笑み。
 エストスはスワレアラ国編のときから過去について色々と触れていましたが、この章を読んだあとにまたスワレアラ国編を読み返してもらえたら、「あ、なるほど。だからエストスはこんなことを言っているのか」ってなると思います。基本的にトラウマ克服前のエストスは「自分の命なんてどうでもいいから他の命を守れさえすればいい」のスタンスで基本前線に迷いなく立っています。自己犠牲が義務ぐらいの気持ちだったんですよね、エストスは。だからこそ自分は罪人だと言い続けるわけで。
 そして最後の遺跡に残したメッセージ。
 あの石碑には「我等エミラディオート一族のすべて、ここに眠る」と書いているんです。そしてその中にあるのはエストスへのメッセージのみ。
 つまりは、そういうことです。
 叡智を極めた一族の全ては、大切な一人の仲間への想いだけだった。
 エストスは数百年前の人物ですから、その仲間と共に過ごした記憶など今の時代の人はだれ一人として共感できないはずです。
 だからこそ、エストスだけが分かっていればいいという感覚で思い出の引き出しを開けました。
 エストス以外、誰も聞いたことのない名前。
 でも彼女にとっては全てがかけがえのない人たちです。
 もし外伝を書く余裕があればみんな登場させます。もちろん、エストスとアウロのイチャイチャも書きますよ。当たり前じゃないですか。

 リヴィア
 エルフの里編のもう一人の主人公ですが、詰め込みすぎました。むっちゃ扱いづらかったです。
 後半は「中二設定どうしよう……まあ、いっか!」って感じで振り切って普通に書いてました。それでもリヴィアという人物自体にブレはあまりなかったかなとは思ってるので、ギリギリセーフ?
 とりあえず女神の力が覚醒して中二の口調で口上を言われたいがための中二設定です。一応、作者としては「仲良い人にはデレデレ」「普通ぐらいの人にはキツめ」「焦ったり照れたり調子に乗ったときは中二」「ハヤトには常に辛辣」の4パターンで口調を変えてました。
 ちなみに、「疾風神雷」は使うと敏捷が1000になります。作中最速、というより世界最速です。魔力消費が激しいので扱いが難しいですけどね。
 エルフの里編と題する以上、エルフの二人には頑張ってもらわないと、と色々と考えてあの展開になりました。楽しんでいただけたでしょうか? そうならば幸いです。

 エリヴィア
 ぐう聖お姉ちゃん。正直個人的な性癖だけならエリヴィアお姉ちゃんが物凄い突き刺さります。
 物語の中盤からの登場キャラなので、ちゃんとしっかりお話しする場所を作らないと後半の展開で読んでいる人を置いていってしまいそうだなと思って書いたのが「屋根の上での静かなお話」ですね。毎話追ってくれている人には話が全く進まないので申し訳ないなと思いながら、それでも絶対に外してはいけない場所だから勘弁してくださいとパソコンの前でぺこぺこしてました。
 あとエリヴィアで特出すべきはスキルでしょうか。
 エリヴィアしかり、マゼンタしかり、この章には少し特殊なスキルを持つキャラを出してみました。
「敵対心に抱擁を」久しぶりにスキルの名前で悩みました。いつもは適当に二、三分でつけちゃうんですけど、変なスキルなだけに一言でどう表そうかなって苦しかったですね。
『自分に向けられた敵意の量と質によって自分のステータスを上昇させるスキル』
 多対一に特化、というよりタイマンだと基本実力勝負になってしまうのが辛いところですね。しかし嘘ついているかどうか、本当に信用できるかも感じ取れるという戦闘以外にも応用できる有能スキル。
 いつかまた登場した際には活躍してほしいですね。

 リリナ
 ぷりてーさきゅばすリリナちゃん。
 魔王軍マゼンタ部隊の主力メンバーの一人で、シアンの大親友です。
 ちなみに大親友なだけあって同い年の18歳。いやあ、種族というものは成長速度を大きく左右しますね。
 今回の件では、マゼンタが相手なだけあってかなり苦戦していましたが、本来は多彩なスキルで相手を翻弄するすげえキャラです。サキュバス的な要素を含むスキルを使って援護するにはどうしようかと悩んであんな感じのスタイルになりました。
 この章からにしてはもうすっかりメンバーとして馴染んだのではないでしょうか。ハヤトの家に一緒に帰るので、もちろんこれからも仲良く登場してくれます。まあ、あのピンク色のメイドがどんな反応をするかは分かりませんが。

 マゼンタ
 シアンのママ。シアンとリリナとエストスの三人がかりでようやく倒せる化け物魔王軍です。純粋なステータスだけならもちろんシアンよりも下ですが、これまた癖のあるスキル『爪先立ちの荒療治』のおかげで難しいことになりました。ちなみに、このスキルを思いついたときは「いいスキル思いついたぞ!」って一人でウキウキしてました。
『地面に触れている面積が少なければ少ないほどステータスが上昇するスキル』です。片足で爪先立ちになると一気に大人シアンまで跳ね上がります。そして、全力で蹴っても足が地面に触れる面積をハイヒールを使って調節することで蹴りの速度が一気に変わるという、癖の強い攻撃をします。
 そして魔物のドリアンも中々いい味を出してくれたんじゃないでしょうか。リリナの裏切りを見つける上に味方のいなくなったマゼンタを抱えてシアンたちの居場所を守るために静かにその場を後にする、かなり渋い魔物です。
 「強くなったのね、シアン」という最後のマゼンタの言葉に込められた気持ちは、読んで頂けた方のご想像にお任せします。本当にシアンを殺すつもりだったのか、それとも。

 ちなみに、エルフの里編のラスボス「魔人」はその場の思い付きで追加したキャラです。エストスの最後の畳みかけ自体は考えていたのですが、そこに至るまで何をしようかと書きながら悩み続けて絞り出した存在です。ちょっと設定に強引さがあったのはそのせいです。勢いでごまかせてなかったのならすいません。

 各キャラについてはここらへんで。
 やはり基本的に章の終わりは綺麗にたたむことを意識しているので、いざ書き終わったときはとても満足です。作者としてはとても楽しかったです。
 読者の方は楽しんでいただけたでしょうか。
 ほんの少しでもその心に僕の言葉が届いてくれたのなら幸せの限りです。
 それでは、長々と書いた後書きの筆をここらで置かせていただき、
 また次の章も多く方に届くことを願い、
 少しでも多くの方が僕の小説を楽しんでくれることを心から祈っております。

 次回はスワレアラ国王都編です。
 次もたくさんの新キャラと既存キャラたちの織り成す愉快な異世界をお楽しみください。
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