2017年04月08日 (土) 03:31
それは、ある冬の夜に起こった。
「なぁ、お前昨日夜起きてたか、凄かったよなぁ、あの地震」
「そうそう、確かあの地震、震度が6強だったよな」
そう、昨日の夜ここら辺はーーーいや、この地球全体に地震があったのだ。 まぁ、地域ごとの震度は違ったけれど。
だか、これは前代未聞の事だった、うちのクラスの馬鹿共がその地震の事で笑いながら騒いでいるが、これは本当に笑いごとでは無い。 そういえば、今日朝テレビ見たら地震の事でニュースやってたな、やらない訳がないのだけれどね。 そうそう、そのニュースでこんな事を言っていたんだよ。 『私達政府はこの世界規模の地震の対策を行っています』と言うものだった。
「この地震の対策って、いったいなにやってんのかね」
あ、やべっ、声出ちゃったよ。 嫌だってこの世界規模の地震を日本がどうにか出来る訳がないじゃん。 そんな事を思っていると、突然放送が入った。
『第2校舎の1階の南階段で大掃除があります、皆さんは速やかに教室のドアの鍵を閉めて下さい、なお、廊下にいる生徒は直ちに近くの教室へ入りなさい』
何やら焦った感じで放送してんなぁ、えっ、確かこの場所を言って大掃除ってのは不審者が入って来たときの。
「何だ何だ、何が起きてるんだ、今日そんなイベントあったっけ?」
その言葉を聞いて俺はびっくりした、こいつ覚えて無いのか? 年に1回はこんな感じの訓練してるのに。 おっと、その言葉を聞いてこのクラスの委員長が叫んだ。
「あなた馬鹿じゃないのっ? 今この高校に不審者が居るのよ! とりあえず早く廊下にいる人達を教室に入れて鍵を閉めなさい!」
クラスの何人かはその言葉を聞き、廊下にいる人たちに、早く教室に入れと言っていた。
……んんっ? あれ、第2校舎ってここだよな、南階段って俺のクラスの隣だよな、でもここは2階だからまだ大丈夫か……んんっ? 確か放送では階段に居るって言ってたよな、すぐそこまで来てるんじゃないか?」
流石にそんなことに気づいた俺は焦る訳で、まじで早くドアを閉めようと後ろのドアの所をみた瞬間俺は凍り付いた。 そこにはゲームでよく見るようなゴブリンらしき者が居た。
「ギギギァャッ!!」
ゴブリンが叫んだ瞬間凍り付いた体は動いた、早く何処かえ隠れなくては、とその時耳が痛くなるくらいの人間の悲鳴がクラス内から聞こえた。 急いでそちらを見ると前のドアにもゴブリンがいたのだ。ただし、そのゴブリンはもう一体とは違っていた。
「あれ、何咥えてるの?」
おおっと委員長ちゃん、そんなわかりきったことを言うなよ、現実逃避が出来ないだろ?
「あ、あれ人の手だよね」
そう、さっき、委員長の声を聞いて動いた何人かの一人が倒れているのだ、顔を潰された状態で、左腕が無い状態で。
今気づいたが、前にいるゴブリンは棍棒を持っている、恐らくあれであいつの顔を殴ったんだろう。
「ってかあのゴブリン強すぎだろ」
俺がそんな事を言った時、1匹のゴブリンが此方を向いて来た、えっ、何、俺が狙われてるの? 何で? 今喋ったから? それなら俺より前に喋った奴いたじゃないか。
「コロス、アイツコロス」
おいおい、そんな物騒な事を言うなよ、おいおいおいおい、こっちに来んなよ。 怖いだろ、ちびっちゃうよ? 何なら大きい方を出るよ? んだからぶりっちゃうよ? いやいやいやいや、やべばいな、おいおい、心の中で噛むとかおれ何やってんだよ。 それよりどうやって逃げよう、入り口は塞がれてるし、よし、窓から出よう。 このクラスの窓のちょっと奥は柵のないベランダみたいな感じになってるから大丈夫だろう。
「よし、おりゃっ!」
俺はダッシュで窓までいき、窓の近くの机にジャンプしてから、その勢いを殺さず、そのまま窓にジャンプした。
ベランダらしき所に出てからは水道管みたいな? 雨水が中を通るやつ、名前がわからわけど、まぁ、それをつたって下まで降りた。まぁ、そしたら1階の教室の中が見れる訳で、それをみた俺は吐き気がして、それほどその教室内は地獄絵図たった。
「おえっ、ゔぅっ」
オロオロオロ的な感じで出ればよかったけどそうはいかなかった。
「げっ、学校の外も結構ヤバイな、どこに逃げるかな、とりあえず家に行くか」
その時、世界に異変が起きた、俺でもわかるくらいの異変だ。
そして、世界に声が響いた。『弱き者は死に、強き者は生きる』