2021年06月22日 (火) 17:27
『お慈悲をください、悪魔さま!』の読破をしてくださった方、および読破してないけどフライングで読んでくださってる方、とりあえずわざわざこんなとこまで読みに来てくださってありがとうございます!使わなかったネタとか裏設定とか色々置いてくだけなので、もし需要があったら嬉しいな〜程度に……
・前身
『お慈悲をください、悪魔さま!』ということで小説を書きましたが、元々これは劇の脚本でした。高校の演劇部に提供したんですけど、人が死んだり殺人鬼が出てきたりで多感な高校生が演じるには少々危険ということになり不採用。でもうまく小説に直したかったので書きました。
台本の方の展開:
死こそが救いだと思って殺人鬼をやってた女の子が、それに協力してほしくて堕天したての慈悲の悪魔を呼ぶ。人間の願いを差別なく叶えたかった慈悲の悪魔も、さすがに殺しには躊躇…執着の悪魔の「お前は悪魔らしくねえんだよ」というお説教シーン、元同僚の信心の天使による半ばストーカーチックな帰ってきてアピール等等のシーンを挟みつつ、最終的には悩みに悩んだ慈悲の悪魔が「もう苦しいから、救ってほしい」と殺人鬼ちゃんに懇願。どうしてもそれを殺せなかった殺人鬼ちゃんと慈悲の悪魔が前向きに生きる救いの道を探そうと決めて終幕。
(※後で詳しく書くけどこの段階でエレオスは女の子でした)
・それぞれのキャラクターについて
エレオス:
元々は優柔不断な慈悲の悪魔の女の子でした。小説にするに当たってイケメンキャラにしたいな〜と思ったので男の子にしました。そしたら『可哀想は可愛い』路線に走らせるのもありでは?と思ってそういうキャラになりました。まともそうで歪んでます。キレると怖い。得意な魔法は召喚魔法。
アルフ:
一人目の依頼者。劇の中では出てこない初出キャラの一人。チュートリアル的立ち位置にいるのであんまり特徴ありません。マーガレットへの執着がエグいです。多分ストルゲと絡んでたらお互い同族嫌悪してました。あっでも、最後の章でマディスが彼を召喚できたのは、エレオスがアルフと契約する際にアルフの家の壁に血文字のサインを書いたのを消し忘れたからです。それをマディスが見つけ、アルフを引っ張り出したことになってます。
マーガレット:
ゲーテの『ファウスト』のマルグレーテがモチーフです。一番の悪女。一章のエレオスとのお別れ後、色んな魔女に取り入った末にその魂を食いつくして強くなりました。ヴィクトルに目をつけられてから少々その計画は揺らいだものの、ゆくゆくは金細工の小悪魔から大悪魔になろうと企んでいます。得意な魔法は氷。大悪魔になったときの称号を考えるのが趣味。
モナーク:
小説から登場。ドロースに虐められて足を無くしました。サロモンにめちゃくちゃ懐く。もしかしたら同じように大事なものを無くした彼に共感してるのかもしれない。
サロモン:
元々は殺人鬼の女の子でした。でも『可哀想は可愛い』路線で行くと矛盾しかない子がいいな〜と思って、聖職者の息子なのに悪魔に縋っちゃうとかパパとママ大好きなのに嫌われるとかどうしょうもないキャラになりました。ある意味エレオスの生贄。色んな所でボコボコにしちゃってごめんね。
クララ:
霊媒の天才。そしてエレオスの知り合い。彼女には過去から未来を見通す悪魔が宿っており、同時に彼女自身の持つ優れた分析力で死んだ人物の言葉を再現することができます。つまり死んだ人物の直接の言葉ではありません。悪魔とエレオスが元々知り合いだったことから、悪魔の宿主である彼女のことは生まれたときから面倒を見ています。
ドロース:
劇には全然かすりもしないキャラでした。最初は性格悪かったけど、サロモンと一緒になってからだんだん『アタシが面倒見てあげなきゃ!』とお姉ちゃん気質になっています。しかしツンデレ気味なので素直になれない。他人には基本無関心で、自分が一番大好きな嗜虐の悪魔。彼女は人間の悪意からできた生まれつきの悪魔で、元天使とかいうステータスはありません。趣味はネイルだったりする。得意魔法は爪の硬化+体術の物理攻撃。
マディス:
この子に関しては元々男の子設定の信心の天使でした。劇の中ではストルゲにブチギレてから「懺悔しなきゃ…」と呟くシーンがありました。劇では堕天して狂信の悪魔になったりしません。そこ以外で笑える場所を作れない真面目キャラです。小説にする際、エレオスストルゲマディスの三人の三位一体感を出したくて二人への執着マシマシにしました。得意な魔法は風。
魔法使い:
小説において初出。オペラ座の怪人がモチーフになっています。職業は露頭のマジシャン。リーゼのことを本当に心から愛していました。一目惚れです。彼女を守る力が欲しくてストルゲと契約。対価として顔を地獄の炎に焼かれ、目の色は混濁し、肌は焼け爛れ、それを隠すように目深に帽子をかぶって昼の人目を避けるようになります。甘い香りとスラムの嫌な匂いが彼の存在の証拠。契約以降彼女を買っては魔法混じりのマジックで楽しませるように。崇拝チックな愛情を抱いていたため、身体の関係はありません。また、名前はストルゲとの契約に際して以外には作中の誰にも教えていません。特にリーゼに話すには後ろめたい何かがあったのかも。
リーゼ:
小説で初めて書いた子です。いつでも夢を見ているような目をした娼婦。マイペースで弱々しく、どこか頼りない。もともと中産階級の娘でしたが、父母が死んで行き場を無くし、怯えながら娼婦になったところで魔法使いと知り合います。彼といられる時間が彼女にとって一番の安寧でした。彼を喪い絶望している中で出会った執着の悪魔は、もしかしたら彼女に魔法を用いたのかもしれないし、はたまた彼女が不安定な精神で魔法使いと悪魔を重ねただけなのかもしれません。
ストルゲ:
前身段階からあんま変わってません。劇脚本を読んでくれた演劇部員の中では一番の人気キャラでした。ご存知の通り執着の悪魔です。性格悪そうだけど面倒見良くて、一番悪魔らしい悪魔。天使と人間が嫌い。趣味は人間が愛に狂って身を滅ぼすのを見ること。使い魔たちのお留守番のあたりではコイツが大体諸悪の根源。元々は愛着の天使をやっていましたが、欲が多く全く勤勉じゃない人間たちに幻滅して堕天。エレオスストルゲマディスの三人の中では一番長寿かつ悪魔歴長め。二人の前だと兄貴ヅラをしがちです。得意な魔法は炎。
ヴィクトル:
腕利きの祓魔師。両親の教えに従った結果バリバリのカトリック。それなのにプロテスタントになった兄レオナールとは袂を分かちます(レオナールはその後もヴィクトルのオーストリアにある仮住まいに手紙を送ったりしていました)。修道院にて修行をした後各地で悪魔を祓い始めました。その際一度ストルゲと相対し、殺されかけてしまいます。ストルゲは取り逃がしましたが、死にかけた時にマディスと右目の視力と引き換えに契約して冥界の鍵の破片を手に入れます(この時既にマディスは堕天してました)。オーストリアからフランスへマーガレットのことを追い回しているうちにたまたま近くを通ったことで兄の家を訪れてしまい、その惨劇を知ります。兄と絶交したといえども存在は聞いていたが故に、行方不明になった甥のサロモンを心配していました。たまたまレオナールの旧家で落ち合ったサロモンが悪魔の気配を帯びているのにすぐ気が付いています。カトリックゆえに悪魔契約は元より悪魔喰いなど絶対的に許せないが、甥という情けもあるし彼はまだ若い。故に彼に憑いた悪魔はしっかり祓い殺して正しい道に引き戻そうとしていました。サロモンに対しては絶対的な味方。ちょっと硬いけど良い人。
・ボツになったけど書こうとしたもの
エレオスがペルシアに行ってた時の話
エレオスが日本で契約する話
ストルゲとヴィクトルの過去編
悪魔召喚ヲタクとの相対
・最後に
一月から勢いで一日線文字ずつを目標に書き続けましたが、本当に充実した五ヶ月でした……。初めてこんなに小説書いたしぐだぐだしてる自覚もあるっていうかもはやそれしかないんですが、いい経験になったと思います。こんな独りよがりな感想しか出ませんが、それでも毎日一人でも読んでくださった方がいらっしゃるのがめちゃくちゃ嬉しかったです!!本当にありがとうございます!
ボツになったあたりも含めて書こうとしてはいたんですが、何せ私冬には大学受験でして……とりあえずやりたかったことを一つ完成させられたので、一生懸命勉強して志望校合格してやろうと思います。
私情挟みすぎて萎えてる方もいそうですけど、とりあえず書くこととしてはこんなもんです。
自分の趣味の詰め合わせに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!!またどこかでお会いできたら嬉しいです!!!