2019年04月14日 (日) 23:46
最後まで読んで下さった読者の皆様、ありがとうございました。
読んで下さる方がいるというのが何よりもの励みになりました。
コウタとクララの恋の物語はこれで完結です。
私は出だしと結末だけを考えて小説を書きます。
とはいっても最初に考えていた結末とは話が大きく変わることもあります。
この小説がまさにそれでした。
最初の設定では、
クララが王太子に見初められ、紆余曲折があって輿入れが決まるのですが、公太がそれを奪い返しに行くという終着点になる予定でした。
ザクセンスの大軍をバッタバッタと倒してクララを奪い返すのですが、最後はクララの胸の中で日野春公太は息を引き取ってしまうのです。
そして、挟間の小部屋でセラフェイム様に言われます。
「おお召喚獣よ、死んでしまうとはなさけない!」
それで再び異世界へと送り込まれるというオチでした。
この設定が崩れることになったきっかけはクララのライバルとして登場させたユリアーナ・ツェベライでした。
作者の考えでは城壁の上でユリアーナが決闘に負け、彼女との関係はそれで終わるはずだったのです。
物語を作った経験のある方ならわかると思いますが、キャラクターはある瞬間から作者の手を離れて行動することがあります。
ユリアーナもそんなキャラの一人でした。
一度ふられたというのに退場せず、闘志を燃やして再び公太に近づいたのです。
ユリアーナの執念がこの物語の後半をそっくり変えてしまったと言っても過言ではありません。
本当に恐ろしい女なのです。
ユリアーナは図々しいのでまた私の作品に出てくるかもしれません。
例えば後日談に。
どうなるんでしょうねぇ……。
アイツは恐ろしいけど情が深かったりもするんですよねぇ……。
後日談として「千のスキルを持つ男 Jr.」がはじまりました。
最終回から14年後を舞台としたお話です。
公太の息子のラインハルトがクララとコウタの通ったラインガ街道を旅します。
こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
最後に皆様にもう一度お礼を言わせてください。
読んで下さってありがとうございました。