2020年05月08日 (金) 11:56
ハイ。皆様、最狼です。
投稿出来る程にならないのなら、短く簡単なモノを載せちゃえばいいじゃないと思い、今回はちょっとしたモノを載っけてみました。
色んな意味で大変ですが、今後とも頑張りましょう。
それでは。
あの子が、周りの子達に自慢している。
ブランドモノの服やアクセサリをジャラジャラとセンスもなく身に着けて、見せびらかして、優越感に浸っている。
周りの子達も、羨ましそうにキャーキャーと黄色い悲鳴を上げてあの子を持て囃す。
あの子の身に着ける服やアクセサリは、きっとあの人が選んだモノ。
キチンと整えればあの子の魅力を最大限以上に引き立てられるよう考えられた、深い想いの感じられる品。
それを、あの子は分かっていない。
無節操にただ身に着け、自分から魅力を落としている。
あの子はきっとあの人から化粧の仕方も髪の手入れの方法も教わっている。
言われたままに実践して、あたかも自分で考え練習してモノにしたと言う様な口ぶりで嘯く。
立ち振る舞いすらも教わっている事は一目瞭然。
自分を綺麗に、美しく、可愛く見せる仕草はだけど、まだまだ拙い。
あの子はその全てをあくまで自分の功績として喧伝する。
そして小さい自尊心を満たし、浅い優越感に浸っている。
「あぁ、可哀想。本当に可哀想」
あの子は悪い子じゃない。
だからと言ってあの人が悪い人という訳でもない。
「酷い人。とってもとっても酷い人」
可哀想なのは、あの人に惚れて、告白して、受け入れられてしまったあの子。
酷いのは、一度断って、それでも諦めなかったあの子を認め、受け入れたあの人。
あの子は気付かない。
まだ気付かない。
早く気付かないと手遅れに......或いは、もう戻れないかもしれない。
それでも、今ならば或いは気付く事も出来る。
あの人はとっても誠実な人。
だけど、だからこそ覚悟がないとダメな人。
あの人が生まれるべきは今ではなく、ここでもなかった。
そしたらきっと、こんな生き辛さはなかったのに。
「気付きなさい。本当のあの人に。きっと貴女なら大丈夫」
その時は、一緒に話をしましょう。
きっと楽しい話が出来る。
ふと、あの子と目が合った。
微笑みながら見つめてあげると、あの子は少し訝しみながら顔を逸らした。
「ふふっ。可愛い子」
酷いかもしれないけど、楽しみね。
でも......えぇ、でも。
心配だわ。
とっても、とっても、とっても心配。
貴女は、大丈夫かしら......