「見覚えのあるダンジョンだ」
やりこんだRPGで幾度となく目にしたダンジョンの中ボス部屋。
勇者を待ち構え、倒されるためだけに存在する妖鬼に、かつての記憶が甦る。
己の前世は、何の変哲もない大学生であったのだと――
このまま中ボスとして狩られるのはゴメンだ。
そう決心した彼は、ボスを撃破してダンジョンからの脱出を敢行。その過程で得たのは、''珠片''と呼ばれる謎のドーピングアイテムだった。この世界に散らばってしまった15の珠片を集めるように女神から命じられた妖鬼は、せっかくならとついでにこの大好きなRPGの世界を旅して回ることにする。
これは何れ大江山の鬼神へと到る、一人の妖鬼の浪漫譚。
【本編完結済】