自分の不注意で大怪我を負ってしまったカルヴェス子爵家の二女・オリヴィアは、その場に居合わせただけの少年――名門・アンドール侯爵家の子息、デュリオと婚約することになってしまった。
訳がわからないオリヴィアだったが、この婚約が間違いであることだけはわかった。
どうやらデュリオはオリヴィアの怪我の責任を取って婚約することになったらしい。
それはとても不公平だと感じたオリヴィアは、つらそうな表情で無理して笑うデュリオを見て強く誓った。
将来、デュリオが本当に好きな人と結婚できるよう、その時に憐れに思われることなく婚約を破棄してもらうために立派な淑女になろうと。
そうしてオリヴィアは来たる婚約破棄の日を目指して、努力を始めるのだった。
※この物語は『悪役令嬢、時々本気、のち聖女。』のスピンオフとなっておりますが、この作品のみでもご理解いただけると思います。