ブックマーク一覧 カテゴリ1 全55件
連載 完結済 5エピソード
湾岸エリアの高級タワーマンション最上階に、雲雀(ひばり)は幽閉されたも同然だった。 というのも人気ホスト、裳玲(もれい)に惚れ込み、結婚して早3年と5カ月。 しかしながら、夫婦関係は冷え切っていた。 梅雨に入り、例年にないこの異常な長雨がいけないのだ。 陰鬱な雨は人の心まで荒廃させる。 ことあるごとに潔癖症の夫から罵倒され、雲雀のストレスは最高潮に達していた。そのたびに陰湿なやり方で仕返ししてきたが、ついに殺害を計画。 かくなるうえは裳玲を殺してでも、このマンションから巣立ちしなければならない。 雲雀は巧妙に夫の命を削っていくのだった……。 ※本作はしいな ここみさま主催『梅雨のじめじめ企画』参加作品です。 ※微グロとバイオレンスあり(*^-^*)
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年06月14日
連載 完結済 5エピソード
本作は、谷川健一の著書に書かれていた、とあるエピソードに着想を得ている。 「殯(もがり)のときに、死者の復活を願う光景は早くから見られた。伊波普猷(いはふゆう・那覇市出身の民俗学者・言語学者)によると、沖縄本島の津堅島では、人が死ぬと後生山と称する藪の中に放ったが、屍が腐爛して臭気が出るまでは、その家族や親戚朋友たちが、毎日訪れて、死人の顔をのぞいて帰った。死人が若者であった場合は、生前の遊び仲間の青年男女が毎晩のように酒肴や楽器をたずさえて訪れ、思う存分踊り狂ったという。」 ※後半にショッキングなシーンがあります。メンタルの弱い方は注意。グロ度★★★★★ ※本作はコロンさま主催『酒祭り』企画の参加作品です。締切最終日の投稿にして、とんでもなく空気の読めない一作となっております。
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年05月11日
短編
子どものころ、カルト的な人気を誇る漫画家、諸星 大二郎に魅せられ、そのまま大人になった。 漫画はモロ☆(第7回手塚賞入選『生物都市』)と、その朋友・星野 之宣(第9回手塚賞入選『はるかなる朝』)しか読まず、純粋培養されて育ったと言っても過言ではない。 とくにモロ☆は長年心の師であり、創作におけるめざすべき頂点でもある。 モロ☆みたいになりたくて研鑽を積んだつもりだが、その北壁はあまりにも高すぎた……。 ※本作はしいなここみさんの『フェイバリット企画』参加作品です。
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エッセイ[その他]
最終更新日:2025年03月31日
短編
上松 温輝は中学を卒業したら漁師になるつもりだった。 千葉県南房総市で暮らす少年は、代々伝統的な見突き(舟から箱メガネで海底をのぞき、銛で魚介を突く漁法)の漁師の子として生まれた。 父、賢次も洩れなく継いだのだが、最近オネエに目覚めてしまい、稼業を投げ出して夜の商売へとシフトしてしまった。 温輝が受け継いだのだった。 中学へ通うかたわら、早朝、内房へ舟で漕ぎ出し、一人、見突き漁に励む。 本当はクラスメイトのみんなや、憧れの恩座 百寧とともに学校生活を送りたいし、高校に進学したかった。ヤングケアラーゆえの鬱屈した悩みを抱えていた。 百寧のことが頭から離れない。漁をしながらも彼女のことが箱メガネの向こうに重なる。 中学3年の2月14日だった。大寒波が南房総を襲うなか、一人漁に出ていた。 夕方、雪の降るさなかに港へ帰ってきたとき、そこの待っていたのは百寧の姿だった……。 ※本作は楠結衣さん主催・香月よう子さんを追悼する『バレンタインの恋物語企画』の参加作品です。
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純文学[文芸] 残酷な描写あり
最終更新日:2025年03月16日
連載 813エピソード
「千の妖怪」を言葉遊びをしながらを紹介していきます。一話300字弱、4444話投稿予定。話は出典や伝承におおむね沿うようにしていますが、ときおり大きく脱線したりもします。
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ホラー[文芸]
最終更新日:2025年06月23日
短編
1966(昭和41)年、高度経済成長の真っ只中であった。 江戸時代のころから地主であり、豪農の名で知られた西大路家がしだいに没落し、かわりにお隣の高野家が急激に富裕へとのし上がった。 それだけならまだしも、生け垣のすぐ向こうに立派な土蔵を建てたのだ。 蔵とは、ひと昔で言えば、富を表すステータスシンボルである。いささか時代遅れではあるが、西大路家に与えたインパクトは絶大であった。 とくに西大路 郁子にとっては、はらわたが煮えくり返るほどの屈辱を味わう。 きっと高野家は、人外の力を借りて富を築いたにちがいない。考えられるのは、狐か犬神の憑き物でも使役しているのではないか。 狂気に捉われた郁子は、村の縫製工場に火をつけ、村人を陽動。その隙に、高野家の土蔵に潜入するのだった。 そこで見たものは予想外の仕掛けであった。 思いもよらぬカラクリに、郁子は頭を抱え、半狂乱になる――。 ※本作には現代の社会通念および人権問題に鑑みても、差別的、不適切な表現や語句が含まれております。
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年08月29日
短編
僕は小説投稿サイト『ヨムカク』の読専だったが、一念発起してハイファンタジーの書き手に挑戦するようになった。 しかしいざ投稿するも、さっぱり読者に見向きもされない。むしろ感想欄で文章作法を指摘され、がっくりくる。 独学では時間がかかりすぎる。かくなるうえは直に元プロ作家のもとで修行するしかない。 近所のマンションに、往年活躍した伝奇バイオレンス作家、兀尾(はげお) 基文先生が住んでいるのを知っていた。 頭を下げてお願いすると、快く弟子入りさせてくれた。 土日のたびに兀尾先生のもとを訪ね、手ほどきを受けることになった。毎回課題を出され、原稿を添削してもらうのだが、ことごとくダメ出しを食らう。 先生の指導はスパルタだった。とくに擬音語を多用した僕の文章にツッコミを入れられ、元プロ作家としてこう忠告してくれるのだった。 「オノマトペを使いすぎると、オノマトペマンになっちまうぞ!」
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年08月21日
短編
26歳の怜花は突如、難病・舟型棺桶性硬化症(BSCS)を発症する。 徐々に全身が謎の甲羅で覆われ、まるで舟型の棺桶状に異形化してしまい、最終的には命を落とす不治の病だという。 全国のBSCS患者とメールでやりとりした結果、とある噂を眼にする。 病気が進行し末期になり、肉体が小舟へと変容したならば、海に解き放ってもらえというだ。 舟は波に乗り、やがてはるか沖合の異界へと運ばれる。そこは苦しみのない楽園のような世界だと信じられていた。 怜花は見舞いに来てくれた兄、達樹に懇願するのだった。余命いくばくもない怜花にはそれにすがるしかなかった。 「私が私でなくなる前に、船出させて」と――。
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年08月03日
短編
現在の医学では治療できない患者を冷凍保存し、将来、医学が進歩した後に蘇生する。そんなサービスを提供する会社があるといううわさを聞きつけた。余命わずかな家族の命を未来へつなぐため、その会社を訪れるが……。
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ホラー[文芸] 残酷な描写あり
最終更新日:2024年07月28日
短編
噂によると、〈!〉単体の道路標識は、『この先、幽霊が出るので注意せよ』ではなかったか? 出張の帰り。おれは先輩から重要な契約を結べなかったことで責められた。 叱責はエスカレートするもんだから、さすがのおれも頭に血がのぼり、首を絞めて殺してしまう……。 先輩の遺体をトランクルームに押し込んだおれは車を走らせるしかなかった。 もう後戻りはできない。かくなるうえはこの先のどこかに遺棄するしかない。 そのうち寂れた田舎道の路肩に、例の標識を眼にする。 〈!〉だ。警告標識だった。ただし、下の補助標識には『ハルパゼイン注意』とあるのが謎だったが……。 今さら引き返せないんだ。このまま行くしかない。 そのうち道路は行き止まりに着く。そこには聳えるばかりの大木が立っていて、得体の知れない羽音が聞こえるのだった……。
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年07月13日
短編
小学6年の中新馬 主水は、ふと授業中に気づく。中庭にあったはずのウサギ小屋がなくなり、いつの間にか祠のようなものが建っているではないか。 主水は祠をのぞき見るなり衝撃を受ける。 まるで重度の火傷を負ったような異様なタコ人間がそこで飼われていたのだ。みんなは、以前から学校に祀られている【ご神体】だというが、主水には記憶がない……。 奇しくも夏休みに入るにあたり、主水は小鳥遊先生から【ご神体】に毎日供物を捧げる仕事を任される。 なぜあの赤い人は全身の皮は赤く爛れ、守り神として祀られているのか? 主水はクラス委員長たちを集め、【ご神体】にまつわる噂を情報交換するのだった。 あれは悪行を重ねた在校生が火炙りの刑に処され、見せしめとして隔離されているのではないか。 あるいは学校侵入事件として捕らえられた不審者である説、さらには被爆した元教師ではないかというものまで……。
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年07月13日
連載 完結済 5エピソード
地元の山中に、明治36年から操業している三重県最古の水力発電所がある。その横をすぎて山の中腹まで登れば、ハイキングするにはもってこいの遊歩道となっているのだ。 その道を奥へ分け入れば、天然記念物に指定された甌穴――ポットホールがある。僕は時折、リュックサックを背負って、そこへ遊びに行くことがある。 しかし地元の人は、そこに近寄りたがらない。 というのも70年ほど前、この深い淵で一人の少年が溺れ死んだことがあるのだ。引きあげられた死体は無惨な姿に変わり果てていたという。 小学6年の11歳の夏、同級生と4人で、この甌穴を見に出かけたことがある。 道中、脅かすつもりじゃなかったが、死人が引きあげられた話をしてやると、3人とも顔色をなくした。 それでも少年たちは臆病風に吹かれることなく、甌穴を目の当たりにした。それは恐るべき深さの不気味な淵だった……。 大人になった僕は、今日もたった独りでやってきた。まるでパワースポット巡りで霊力を授かりに来たかのように。 ※本作品は、しいな ここみさん主催『純文学ってなんだ? 企画』の参加作品です。
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純文学[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年06月29日
連載 完結済 9エピソード
ブラック企業の営業部の中堅社員である隠田 智也は、アフリカへの出向辞令を言い渡された。 いざ日本を発つ日が来た。 ところがフライトの途中、機体は予想外の乱気流に巻き込まれ、制御不能となり海に墜落。 隠田は破壊された機内から命からがら脱出する……。 どうにか絶海の孤島に流れ着いた彼は、助けが来るまでその無人島でサバイバル生活を強いられる。 さすがブラック企業の社畜サラリーマンである。いかな酷い環境であろうとも不平不満も訴えず、自らの力で生活基盤を整えていく。 追い込み漁による魚介の獲得をはじめ、ツリーハウス上の小屋の建築、焼き畑農業、灌漑工事、刳り舟の製作、島のあらゆる場所に通じる道の整備と、大事業が続く。 極めつけはせっかく刳り舟が完成したというのに、島からの脱出を先延ばしにし、トンネル掘りをすることだった……。
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ヒューマンドラマ[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年06月22日
連載 完結済 6エピソード
おれは株式会社サボテン・タクシーに勤める勤続16年のドライバーだ。兵庫県赤穂市を営業区域にしている。 雨が本格的に降り出した夕方、無線連絡が入る。近くの無人駅で、配車を希望する客が待っているという。 おれはその客――サイトウ氏を拾った。これが念願の長距離指定の上客、いわゆる【万太郎】で、内心大喜びする。 タクシーの世界には、客に内緒で使っている業界用語がある。万のお金を落としてくれる【お化け】をはじめ、【ゾンビ】、【ブツブツ霊】、危険な【20】など……。 ところが、サイトウ氏と会話を重ねるうちに事態はおかしな方向に捻じれていく。 氏いわく、宇宙人を意味する【00】なる隠語までがあるというのだ。 まさか、本当に【00】を拾っちまうなんて……。 ※本作品は、しいな ここみさん主催『宇宙人企画』の参加作品です。
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年05月05日
短編
燿(ひかる)は奈良市で民生委員を務める祖母に頼み事をされる。 というのも、三峰山の尾根のポツンと一軒家に住む独居老人、小坂の安否確認をしに行ってくれというのだ。 一路、ジムニーを走らせる燿。 雪山をなんとか無事、山小屋にたどり着き、小坂の無事を確かめたのだが、到底引き返せないほどの吹雪に見舞われる。 小坂の勧めもあって、その晩は山小屋で泊ることに。 ぼたん鍋を食べ、熱燗を交わしながら、しだいに燿は小坂と打ち解けていく。 ところがである。 夜も深まったころ、玄関の戸を叩き、声をかけてくる謎の人物がいた。 小坂は息を殺し、だんまりを決め込んだので、燿もそれに従うのだった……。 ※本作はしいな ここみさま主催「冬のホラー企画2」参加作品です。
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ホラー[文芸] R15
最終更新日:2023年12月30日
短編
おれは飛び込み営業をしている。 高級ガレージを売り込もうと、毎日営業車を走らせていた。 あいにく本年度に入ってから成果に結び付かず、毎度のごとく課長に叱責され、数字を上げることに妄執に憑りつかれていた。 数字数字数字――。 おれはいつしか、町を行き交う車のナンバーすら、眼で追うようになっていた。 いつのころからか、町じゅう希望ナンバーをつけた車であふれていた。 そんなとき、おれ以外のノルマを達成している他の営業マンたちさえも、営業車に希望ナンバーを掲げていることに気づく。 希望ナンバーをつけることで縁起を担ぎ、人生が好転するとでもいうのか? 営業所内に盗聴器をつけたおれは、ついに彼らの秘密を暴くことに成功する。 それは謎の秘密結社の正体だった……。 ※本作はしいな ここみさま主催「冬のホラー企画2」参加作品です。
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ホラー[文芸] R15
最終更新日:2023年12月25日
連載 完結済 7エピソード
女性の写真集にはありがちなケースかもしれない。 写真によって、同一人物かと疑うほど、別人のようなテイストを感じるときがある。 長野の戸隠高原のキャンプ場に来ていた山県と保阪。 最近、保阪はふさぎ込んでいた。2週間前、購入した女優、見座リツコの写真集を見てから違和感を憶え、まるで自分の足元が崩れていくようだと不安を訴えるのだ。 山県は、その写真集を自分の眼で確かめる。 なるほど、保阪の言うことも頷ける。写真集特有の振れ幅の大きさは否めず、どれが本来の見座 リツコの容姿であったか、混乱してしまうほど。 よくよく考えてみれば、二人は女優、見座について詳しいことを知らない。というか、見座についての記憶があやふやなのだ。まるで脳をまさぐられ、なんらかの施術を受けたかのように……。 見座 リツコについて、スマホを使って情報収集を行うことにした。 SNSやネットニュースではよからぬゴシップであふれ、得体の知れない怪情報が次々と明るみに出る。 二人は点と点をつなぎ、見座が何者なのか議論を交わした。――そして、とんでもない結論にたどり着くのだった。 実は見座 リツコこそ、地球外からやってきた侵略者、あるいは植物型のミュータントではないか? ネットの世界では、見座にまつわる怪情報が出回っているにもかかわらず、なぜ大事にならないのか? よもや、それすら『なかったことに』できる力で、操作されているとしたら? 山県と保阪は地球の存亡を賭けて、見座の侵略に対抗すべく知恵を絞っているときだった……。 ※本作は家紋 武範さま主催「夕焼け企画」参加作品です。
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パニック[SF] R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年11月08日
連載 完結済 7エピソード
舞台は近畿地方のN県T村武蔵地区。都内で不慮の死を遂げた姉、奈桜の葬儀を執り行った。 書置きに残された彼女のたっての願いで、武蔵地区の共同墓地に土葬することになったのだ。 墓穴に寝棺をおろすと、あとは土をかぶせ、埋めるだけだと、妹の沙月は思っていた。 ところが一人の高齢男性が前に進み出、ライフル銃をかまえたから驚かずにはいられない。 なんと、いきなり墓穴めがけ発砲――。 都内で暮らす沙月には、はじめての土葬と、やたらと死者を甦らせない作法やら儀礼に戸惑うばかり。 それほど呪術を張り巡らせたにもかかわらず、埋葬したはずの奈桜は死霊となって甦り、都内まで帰ってきてしまったのだ。 家族はそれと対峙する。そして帰ってきたことについて問いただすのだった……。 ※本作は夏のホラー2023企画作です。テーマは『帰り道』。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 ※腐乱死体の、かなりグロテスクな描写があります。グロ度★★★★★
作品情報
ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年08月24日
短編
七つ前は神のうち、とはよく言ったもので……。 ※本作は夏のホラー2023企画作です。テーマは『帰り道』。
作品情報
ホラー[文芸]
最終更新日:2023年08月24日
短編
17年前、和歌山県の紀伊大島で、ある老人から罪の告白を聞かされた。 太平洋戦争のとき、人を殺した重い十字架を背負っているのだというが……。 僕は戦争の悲惨さの一端を垣間見た。
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エッセイ[その他] R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年08月13日
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