入れば誰もが憧れる魔法学院で最も重要な『紋章』。
それが『水属性』や『炎属性』なら一流の冒険者まっしぐらとなるのだが……。
「あなたの紋章はただ魔力量が多いだけですね」
それは死刑宣告に等しい言葉。
別に冒険者を目指していたわけではないが、それにしたって魔力量が多いだけで高位魔法が使えない魔導士に、一体なんの価値があるだろうか。
エグい外れ紋章だった。
そんな俺は冒険者も望めないので、毎日を平凡に初級魔法の授業へ費やす日々を送っていく。
おまけに就職先が学長の気に触ったのか、単位取り消しどころか退学処分にされてしまった。
もうずっとこんな感じなのかと思っていたところへ彼女は現れた。
「あなたの『紋章』、外れなんかじゃないですよ。軍でならその力をもっと活かせます!」
いざ調べ直してみたら、それは魔力量が多いどころではない『マナ無限の紋章』だった!
魔力量無限の魔導士が軍という名の最強国営パーティーに入ったら、果たしてどうなってしまうのだろうか……。