死を迎えるその直前に、トウマはとあることを思い出した。
それはある意味で取り戻したとも言えるものであり、所謂前世の記憶などと呼ばれるものである。さらには同時に、幾つものことを理解した。
この世界は前世の自分から見た時、異世界と呼ぶべき世界であること。スキルやステータスといった、まるでゲームのようなものが存在していること。
そして。それを誰も知らないこと。
辛くも窮地を脱出したトウマではあるものの、記憶だけで全てが上手くいくほど、異世界というものは優しく出来てはいなかった。
しかしトラブルに巻き込まれながらも、自らの望みのために、トウマは少しずつ力を蓄えていく。
やがてやってくるであろう、その時の為に。
※現在凍結中。