僕には隠している魔法があった。
育ての親にさえも……。
僕の魔法それは『重力魔法』、ポーターの僕は荷物自体を軽くする【グラーブ村】に伝わる秘伝の魔法とは別の、〖超最高難易度〗『重力魔法』の使い手だ。
【グラーブ村】はポーターの村として世界に知れ渡っていた。
しかしある理由から今は存在していない。
その今は無いポーターだけの村、僕こと『ヨーク・グラビィティ』は、その村出身のポーターだ。
グラーブ村出身の一部の人間は荷物を軽くするという魔法を使いどんな重い荷物でもバックパックが破けなければ持つ事が出来ると言われている。
そして村の中でもごく一部の者が使える魔法、誰にも出来るわけではないその特殊魔法は村長だった父から他言しない様にと言われ、村の一部の人間のみ知る秘匿の魔法とされていた。
僕はそのグラーブ村に伝わる魔法の使い手……と皆を思わせていたが、僕はグラーブ村の魔法は使えない。
そして僕の重力魔法はポーターとしては致命的な技だった。
でも……ポーターの仕事は荷物を持つ事だでは無い、ポーターの仕事は戦闘のバックアップから、日常の料理作りまで多岐に渡る。
僕はその全てをこなせる能力を持っていた。
持っていたにもかかわらず……僕は仲間に見捨てられた……。
一人には慣れている……長い間僕は……ずっと一人だったのだから。
森で仲間から見捨てられた僕は、一人の少女と出会う。
その少女は僕の隠していた魔法を一発で見抜く。
この少女は一体何者なんだ?
僕と少女との生活が始まった。
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