逆さ虹の森にすむたくさんの動物さんのいっぴきに、怖がりのクマくんがいました。
怖がりのクマくんは、友達に根っこ広場へ遊びにさそわれても自分だけ根っこ広場へ行くことができないことに困っていました。
根っこ広場は逆さ虹の森に流れる深い川の向こう側にあり、怖がりのクマくんが根っこ広場にいくためには、大きな体の自分がのるとこわれてしまいそうなオンボロ橋をわたらなければならなかったからです。
もしも自分がわたっているときに橋がこわれてしまえば川の中に真っ逆さま。
怖がりのクマくんにはどうしても橋をわたることができませんでした。
友達が根っこ広場へ遊びに行くために橋をわたっていったあとは、怖がりのクマくんはいつも一人ぼっちです。怖がりのクマくんのお父さんお母さんにも心配させていました。
ある日のこと。
今日も橋の前で一人ぼっちになっていた怖がりのクマくんは、お人好しのキツネさんとぐうぜん出会います。
怖がりのクマくんから話を聞いたお人好しのキツネさんは、ぼくが怖がりのクマくんを川の向こう側に運んであげるよ、と言いました。