かつて「剣聖」として名を馳せ、魔王を討った英雄レイス。
しかし栄光の終戦から数年、腐敗した王政と民を顧みぬかつての仲間たちの姿に、レイスは静かに怒りを燃やしていた。
そんなある日、とある事件をキッカケに国を追われることとなる。
今や彼は酒に溺れ、借金まみれの“クズ冒険者”として名を落としていた。
「もう英雄なんてごめんだ……」
そう呟きながらも、ひょんなことから巻き込まれた貴族の依頼をきっかけに、巨大な陰謀の渦中へと引きずり込まれた彼は――
やがて封じたはずの“最凶”の剣を、再び握ることになる。
「俺の剣は、誰かを救うためにある。あの日、そう決めたはずだ」
これは、かつて“世界最強”と恐れられた男が、もう一度立ち上がる物語。
壊れゆく国で、再び――英雄が伝説となる。