ノイン王国宰相・ザリエル公爵には、一人娘がいる。
銀色の髪にアメジストのような澄んだ瞳を持つ美しい娘・クリスティーナだ。
彼女の幼い頃からの婚約者は、ノイン王国の第一王子、アルベルト。
婚約当初から恋に落ちた彼女は、傍若無人に彼に愛を示すが、いつのまにか愛想をつかされて、十五歳の誕生日には会うこともできず、贈り物だけが届いた。
贈られたその髪飾りを見た彼女は、ふと気づく。これは、異世界で自分がプレイしていた、恋愛シミュレーションゲームの、恋敵役の令嬢が身に付けていたものだと。
そして今現在、自分がいるのは、愛しい王子様を、恋愛シミュレーションゲームの中でいうところの、主人公・クララに奪われるルートだった。
嫉妬とプライドの狭間で懊悩する、恋する乙女と青少年の、切ない純情ラブ。
2016年1月30日一迅社文庫アイリスNEOより書籍化 本編完結済み
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