大学生の川瀬瑞樹は、ある日通学路の途中に骨董屋があることに気づく。
帰りがけに寄ってみると、店内のとある商品に目を奪われる。皿のような形の物体を眺めていると、店主の老婆がそれは仮面だと言った。
仮面であることに納得がいかなかった瑞樹は、老婆の謎の儀式により気絶させられ、気がついた時には見知らぬ森の中にいた。
近くを流れる川に気づいて水を飲んでいると、上流から血液とともに、左腕と右足を失ったエルフの女性が流れてきた。
急いで川辺に上げた彼女の肢体に見とれていると、どこからか先程の老婆が現れる。
愚痴も程々に、エルフを救ける方法として、老婆だった人物────ヴェネットは、瑞樹にとんでもない提案をする。
「今すぐあのお姉さんとキスして! キース!」
突き飛ばされる形で無理やりキスを交わした結果、エルフの女性の顔をかたどった仮面が現れた。
それを被った瑞樹は、顔が焼けるような痛みに悶絶した後、水面に反射して映る自分の顔に驚愕する。
「これが…………俺……なのか…………?」
そこには死にかけていたエルフの女性────フレシアが、欠損も出血も快復した状態で存在していた。
瑞樹がヴェネットから授かっていた仮面の力。
この力を巡る大きな戦いと、異世界ディエスピラ全土に跨る壮大な冒険が、今幕を開ける────!