無害、無味、無臭と三拍子揃った日陰を好む普通の男子高校生。程々のオタク気質な彼は日々を“無難”に生きていた。
そんなある日、通学途中に不運にも交通事故に巻き込まれてしまい、その短い人生に幕を閉じる。
閉じていく意識の最中、いつの日か見た“異世界転生ラノベ”の設定を思い出し、呑気にもそれを願っていた。
──もしも生まれ変わったら人間以外になりたい、と。
あまりにも平々凡々な自分に辟易(へきえき)しての願いではあったが、どうせなら違う自分で生きてみたいと思った次第であった。
だが、そんな夢物語のような事は起きる筈もないと諦めていたが────。
「──じゃあ、その期待を裏切って転生しちゃう?」
まさかの女神降臨。
「──第二の人生へようこそ!私は君を歓迎するよ!」
これはありふれた展開を少しばかり逸脱した異世界転生物語。