主人公はおんぼろアパートの住人である大学生の「僕」。彼は気がついていないが、このアパートに住んでいる住人たちは、みんな現代に生きる妖(あやかし)である。
冷凍倉庫で働く主人公の恋人は雪女だし、逆ナンばかりしている金髪褐色ギャルの正体は河童。たびたび主人公に毛玉を吐いてしまう困った飼い猫は、人間の穢れを祓う猫又だし、アパートの管理人さんはマヨヒガだ。
正直に生きていれば良き隣人である彼らだが、倫理を無視した人間たちには容赦しない。いじめっ子に二股男、傘泥棒に不法投棄犯には恐怖の鉄槌が下るのだ。
そんなことはつゆ知らず、妖怪と人間の垣根を越えてのんびりと過ごす「僕」だったが、実は主人公には彼自身が気がついていない秘密があって……。「僕」を守るために、雪女は自身の命をかけて画策する。
ごくごく普通の「僕」と雪女によるラブストーリー。 「僕」と妖怪たちの視点が交互にきます。「僕」視点ではほのぼの日常、妖怪視点では残酷な要素ありの物語です。ホラーが苦手な方は、「僕」視点のみでどうぞ。
この作品は、アルファポリスにも投稿しております。
また、小説家になろうで投稿しております短編集「『あい』を失った女」より「『おばけ』なんていない」(2018年7月3日投稿)、「『ほね』までとろける熱帯夜」(2018年8月14日投稿) 、「『こまりました』とは言えなくて」(2019年5月20日投稿)をもとに構成しております。
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