田舎領主の息子レイシールは妾腹ゆえに虐げられ、押し付けられた面倒な領地経営に忙殺される日々を送っていた。
幼い頃から虐待を受け、命の危険を常に感じながら過ごしていたある日、散歩がてら訪れた泉から手が伸びているのを発見する。
慌てて引っ張り上げるレイシール。彼の掴んだ手は、異界より伸ばされたサヤのものだった。
この世界に引き摺り込まれ、帰る術が分からないサヤに責任を感じたレイシールは、彼女の面倒を見ると申し出る。
しかし彼女の返答は、衝撃の、しかし今までで一番あたたかい言葉だった――。
これは心に傷を抱えた主人公が、サヤとの出会いを経ることで、自分で歩むことを決断し、
幾多の困難を乗り越えながら、自分と、そして周りの人たちを癒やし、再生する物語。