「ーーというわけでピエリス、婚約は破棄してもらえないかな?」
それだけの言葉で、辺境伯令嬢であったピエリスは婚約破棄を言い渡された。
理由は、仮病令嬢と呼ばれるようなピエリスよりももっといい相手を見つけたというもの。
昔から痛みや不調に悩まされながらも、医者に健康だと言われたことで仮病扱いされてきたピエリス。そんな彼女の唯一の心の支えであった婚約者も、ピエリスのことを出世のための道具としか思っていなかったのだ。
そうして失意に飲まれるピエリスに、父親から告げられたのは衝撃の一言だった。
「お前に良い縁談を持ってきた」
婚約が破棄されたばかりで提案された縁談。それは
同じく婚約破棄をされたばかりの呪われ公爵と呼ばれ恐れられるユーラリア公爵が出した、誰でもいいから三日以内に結婚できる者を求むというものだった。
婚約破棄をした令嬢の身代わりを探しているのだとまで言われるその縁談に、父親からの言葉によってピエリスは向かうことになる。
それが、彼女の新たな人生の幕開けになるとも知らずに。
これは、呪われ公爵に身代わりとして嫁いだ令嬢の物語である。
※読者様のご愛読のおかげもありましてcomic スピラにてコミカライズが決定いたしました!!
※第一章完結済。
※アルファポリス、カクヨムにて遅れて投稿しています。