――この町には、触れてはならない何かがいる。
東京からゴーストタウン化の進む地方都市に帰ってきた、元問題児の瑠衣。ネットでは中傷され、現実では心を病んだ友人陽葵を支える日々。
ある時、瑠衣は久々に足を運んだ公園で幼馴染の貢川陸と再会する。新型ウイルスにより大学の授業が減り、彼もまたこの町を訪れていたのだった。
陸は町が開催するコンテストに応募する小説を執筆中らしいが、思うように筆が進まないらしい。陸の執筆活動に協力しつつ、元の自分を取り戻していく瑠衣だったが、ある大雨の夜、ボーリング場の廃墟で何者かが殺害される現場に出くわしてしまう。
その日を境に、町から住人がひとり、またひとりと消え始め、同時に奇妙な化け物の目撃情報が耳に入るようになる。
寂れた田舎町の日常は、少しずつ崩れ始めていた。
おかしいのは町か、人か、それとも……
※以前投稿した短編『ブルーアワーにとける』https://ncode.syosetu.com/n7790gu/ と『冬の谷底から』 https://ncode.syosetu.com/n9826gp/ を組み合わせた物語(元ネタ)になっています。