バルト村に生まれた少年ニヒト。
彼は10歳の時に、神からジョブを授けられるという"祝福の儀式"に参加し『錬金術師』のジョブを手に入れる。
錬金術師のジョブ自体は大変珍しく、村では彼を大いに期待した。
しかし現実は厳しく、ニヒトに戦闘センスは芽生え無かった。
村は彼を期待していた反動もあり、ニヒトを腫物扱いしていく。
同時にニヒトの幼馴染達は、戦闘も十分にこなせないニヒトを馬鹿にし、仲間はずれにしていく。
そんな彼に村では居場所が無く、孤独に生きる道しか残されていなかった。
食べる物を集めるのが困難なこの世界で、戦闘能力が無いニヒトには生き残ることは不可能だと思われたが、一筋の光が見えてくる。
それからなんとか生き残っていくニヒトだったが、12歳の年に通報を命じられる。
それはバルト村の風習に、12歳の年の子供たちには、強制的に旅をさせる事が義務付けられているからなのだが、彼には一緒に旅に出てくれる仲間いない。
そして彼は戦闘能力を持たず、単身で旅に出るのであった。
これは、神にも人間にも見放された者の冒険譚である。