「もう一度問おう。我と組んで神を討たぬか?」
ユーマと魔王の伝説はこの言葉から始まった。
──ユーマ達の生きるグロースベルト国では、十二歳になると|能力《スキル》の鑑定が行われる。一人一つ何かしらの能力を神から授けられ、能力に合った職業に就くことがこの国のルールとなっていた。
幼馴染のエレナがSランクの『治癒』能力を授けられる中、ユーマに授けられた能力はランクすらない『振動』という、一見すると何の役にも立たない能力であった。
「まさかこれ程まで何の役にも立たない能力スキルがあるとは!!! 君に適した職業はない!!!」
突き付けられた現実に、ユーマの冒険者になるという夢は儚くも砕け散ってしまったのであった。
失意の中帰郷するユーマであったが、その眼前には思いもよらない光景が広がっていた……。
──そしてユーマはこの日、全てを失ってしまったのであった。両親を、幼馴染を、そして故郷を。
しかしこの時のユーマは知る由もなかった。それは全ては神とこの国に仕組まれたことであると。
そして『振動』能力の本当の使い方を。
これは神と国に全てを奪われたユーマと(ポンコツ)魔王による神と国への復讐の物語である。
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※ざまぁ 有り
※魔王の威厳は途中からなくなります