彼女が願ったのは、王子と結婚したいという事。
それだけだった。
けれど、魔法の才がないと幼い時断じられた辺境伯の娘という肩書を持つ彼女は、他の貴族に疎んじられ、王子の隣に立つ為の頑張りをすべて否定され、挙句殺されてしまった。
死ぬ直前に彼女は願い祈った。
『すべてやり直して、もっともっと、生きたかった』と。
次に目を開けた時に広がった光景は、見た事のあるもの。
見知った屋敷の天井。
幼い時に死んだはずの母親。
あまりにも小さくぷくぷくしたふにふにの己の手。
そして彼女は知る。
自分は、時間を遡ってしまったという事を。
それなら自分の『やり直したい、もっともっと生きたい』と願い祈った事を叶えるために動こうと決意する。
これはそんな彼女を取り巻く物語。
※初めて書くお話なので手探り状態で割と矛盾など見られると思いますが温かく見守って頂けますと幸いです。
※乙女ゲーム・悪役令嬢・恋愛要素は後々やってきます。
※主人公以外に異世界転生要素が発生します。