前世の記憶が戻ったのは、転生悪役令嬢モノのラノベに割と多い婚約破棄当日(学園の卒業式)だったリザベル・ファラティリア。お約束とも言える乙女ゲーム期間内での“ヒロインへの嫌がらせ”で第二王子から婚約破棄されるが、リザベルがやった事と言えば、他人の婚約者(リザベルの友人の婚約者(攻略対象者)含む)にベタベタくっついたり、休日に二人きりで出掛けるのは如何なものか等を丁寧な口調で注意しただけ。(他のヒロインの物が失くなっていたやら、制服が破かれる、二階から水を掛ける等の嫌がらせには全く関わっていなかったし、それらの事とは無関係な事も証明済みだった。すぐに解る事だが冤罪やヒロインの自作自演も混ざっていた。)その為、婚約は破棄のみで特に罰はなく、後に王家から秘密裏に謝罪を受ける。前世の記憶が戻ったリザベルは王子に対し何の情も無くなったし、婚約も破棄され王子妃教育も無くなった。そして、自分の自由に過ごせる時間が欲しくなった。
「前世は社畜だったから会社と家の往復が殆ど。今世は幼少の頃からずっと今まで王子妃教育と習い事――…もう何かに縛られずに、自由に過ごしても良いでしょう! これからは私“スローライフ”がしたい!」
リザベルは辺境にある村の外れでスローライフを始めるのだった。(13話目辺りまでは村に着くまでの旅の様子を書いています。)