アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
サナリア王国は、隣国のガルナズン帝国の圧力により、国家滅亡の危機に陥る。
従属せよ。
これを拒否すれば、戦争である。
言葉だけで追い込まれたサナリアは、超大国との戦いには応じられない。
新興国の小国と、歴史ある超大国では、話にならないからだ。
そこで、サナリアの王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。
当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。
命令の中身。
それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。
出来たばかりの国を守るため。
サナリア王が下した決断は。
第一王子【フュン・メイダルフィア】を人質として送り出す事だった。
フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。
彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。
そんな人物では、国を背負うことなんて出来ないだろうと。
王自らが、帝国の人質として選んだのである。
しかし、この人質がきっかけで、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。
西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。
歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす。
アーリア大陸に燦然と輝く。
伝説の英雄が誕生することになるのだ。
偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。
こちらの小説を書き始めて、早一年。
日間ハイファンタジー部門で30位内を達成していて、驚いています。
思ってもいなかったことに、感謝で一杯です。
彼の物語を楽しんでいってもらえたら嬉しいです。