これは、孤独な少年少女達の人生の物語だ。
10年前、不慮の事故により家族を失った少女ー桜峰ヤルは、心に傷を負ったまま高校一年生の春を迎えた。
男らしくサバサバした性格や、深緑色した高く長いツインテールと青緑の瞳という個性的な見た目上、ひときわ異彩を放つヤルは当然のように学校内で孤立してしまう。
ー…ある日、そんな彼女に声をかけた、風変わりな者がいた。
彼の名は、屋敷敬次。
彼は、両親に愛されない孤独な日々を送っていた。
「ねぇ、桜峰さん。どうして桜を見ているの?」
「…なんで不審者に教えなきゃならないの?」
二人の出会いは、劣等生としてレッテルを貼られた少年ー日知野龍斗にも影響を与える。
「君は何をしてるんだ。」
「女には関係ねぇ。うるせーんだよ。」
「まーまー落ち着いて、二人とも。」
三人に秘められた思いが
秘められた過去が
緩やかに
激しく
変動していく
この出会いはきっと
今日を生きるためにあったんだ
少年少女は今日も孤独を背負う。