『例外のない法則は存在しない』
とある外国の諺で表現されるこの言葉は、決して嘘ではない。
その例外を生み出す存在とは何か、その答えは実に単純だが公表されることは決してない。
その答えは「能力」、それを持つ人間は太古の昔から存在する。
ではなぜ能力を持つ人間は一般に知られず、認知されることはないのか。
人間とは大きな変化を嫌う、異質な存在を嫌う。そう、不都合なものには蓋をして目を背けるのだから。蓋をするためにした行為はどういったものなのか、想像することはそう難しくはないだろう。
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人には言えない大きな秘密を抱える青年、本郷優は大学進学を機に親元を離れることを選ぶ。遠く離れた地で平穏な大学生活を送るという彼の望みは大学で出会った同級生の女子大学生、神崎栞奈との出会いによって大きく捻じ曲げられ、あろうことか彼の秘密を知られることになる。だが、本郷は神崎からそれ以上に大きな「世界」の秘密と彼もその秘密に関係があることを告げられる。
表と裏、普通は決して知られることも認識されることも許されない2つの世界。今まで知ることのなかった「裏の世界」に足を踏み入れることになった本郷は、多くの人と事件に遭遇し、改めて自分自身の意志や信念と向き合っていく。
―――こんな「 」な世界で、僕たちは手を伸ばす、差し伸べる。