伯爵家に嫁いだニケは、今日も隠居したような生活を送っていた────
屋敷の使用人も夫も全員義母の味方で、冷遇されているわけでもいびられているわけでもないのだけれどそれは多分、空気に近い扱いだった。
まぁそれでもしょうがないか、政略結婚のようなものだったし、と日々慎ましやかに暮らしていたら仕事人間の義父が体を壊しその介護をすることに。
そうしたらニケの前に夫が突然獣人の子供を連れて来て、気付けば口を出していた。
「この子供、私めが貰い受けて構いませぬか」
……養子扱いということでよろしいでしょうか?
そんなニケの義父と養子、時々夫と送る日常生活の話。