五神時代と呼ばれる時代があった。
『世界に不穏な影が落ちた時、異世界から五人の子供がやってくる』
予言通りにやってきた五人の少年少女は、それぞればらばらに異質な世界に放り込まれ、生きる事を余儀なくされる。
獣がいるような森でただ一人、どこに行けば助かるのかも分からない。
ある者は、
一人の女性に出会った。
この森での生き方を教えてくれた。
殺すことを学んだ。
生き残るために、剣をとることを学んだ。
その全てを、彼女が教えてくれた。
その手で、ただ一人信じる彼女を刺し殺すことになるとも知らずに。
ある者は、
その手の中で、命の恩人を失った。
ある者は、
失った命の代わりに、命を賭けて大切な人を守ることに決めた。
ある者は、
愛を教えた獣のために、獣の森に残る決意をした。
ある者は、
自らの願いのために、自らの手を血に染めた。
五人の子供はそうしてこの世界と関わりながら、己の望む望まないによらず、国の存亡に巻き込まれていくことになる。