チサトはまもなく十六歳。
平均年齢五十歳超の、のどかで平和な限界集落に住む、村で唯一の若者だった。
貧しい暮らしにめげもせず、素朴で元気にたくましく、巫女を夢見て生きていた。
ある日チサトの村に、王都から、キラキラ輝く装備をまとう若者たちがやってきた。
彼らは何と「冒険者」、この国では犯罪者と同義の人たちだった。
色々とアヤシイところがあるのだが、出会ったその日に拳で語り合って意気投合、半ば無理矢理パーティーに加えられ、チサトは村を旅立つことになった。
……と思ったら、すぐに帰ってきてダラダラ過ごすことになる。
彼らの目的は一体何なのか、そして、チサトは彼らとともに何を見ることになるのか。
平和な村に生まれた村娘が、「夢」を「目標」に変えていく、お笑い成長物語です。