アナスタシアは現代日本でブラック社畜をして死んだ、典型的な転生者だ。
転生先は見知らぬ乙女ゲーの世界。
「今度こそ幸せになりたい。今度こそ絶対に平穏無事で幸せな暮らしがしたい……!!」
そう心から祈ったアナスタシアは「ステータス画面」を恐る恐る開いた。
すると、そこにはどこからどう見ても「モブ」なステータスが書かれており、アナスタシアは小躍りして喜ぶ。
ステータス画面にはゲームでお馴染みのMPとAPの文字が。
「MP(マジックポイント)があるってことは、魔法がある!やった!」
喜ぶアナスタシア。
しかし、もうひとつのポイントは。
「APってあれでしょ? アクティブスキルのポイント的な。……は?…………あ、悪役令嬢ポイントって何!?」
──これは、そんな素っ頓狂な叫びから始まる物語である。
◇◇◇
「すれ違いもの」「嫌われていると勘違いしているが溺愛されてる」系が好きな人に贈りたい、そんな感じのお話です。
基本的に善行しかしませんが、主人公はこんな感じの悪役ルールに縛られています。
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【悪役令嬢ポイントのルール】
①悪役令嬢たるもの、気品ある口調を心がけ、然るべき時には必ず高笑いをすべし。
②悪役令嬢たるもの、周囲から嫌われ、困らせよ。
③悪役令嬢たるもの、聖女に嫌がらせをすべし。
④悪役令嬢たるもの、善行を人に気づかれてはならぬ。
⑤悪役令嬢たるもの、例え斬首されようとも人に許しを願ってはならぬ。
⑥以上全てのルールを守って行動した場合にのみ、随時、相応の悪役令嬢ポイントが加算される。
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乙女ゲーのストーリーを知らないから、破滅フラグの回避のしようがない。
そう考えたアナスタシアは、「ポーション」や「レアスキル」と交換できる悪役令嬢ポイントをできるだけ貯めて、危機に備えることを決意。
もちろん攻略対象たちとガッツリ絡む羽目になりつつ、幸せになるために必死こいて努力していきます。
そんなアナスタシアを、どうか応援していただけたら嬉しいです(,,ᴗ ᴗ,,)
※第1章までは執筆済みなので、1日2話を連続投稿します。