地味で内気で消極的な高校新一年生、春山勝喜(はるやま かつき)は、成り行きで茶道部へと入部することに。そこには部長である、黒く長い髪をなびかせたアイドル顔負けの美少女の部長、秋芳香奈衣(あきよし かなえ)先輩がいた。
この秋芳部長、部活のたびに、ちょっかいだしたり、からかったり、困らせたり、もてあそんだり……
「春山くん、今まで黙ってたんだけどね。本当は女の子しか茶道部に入れないのよ」
「そんなこと、あるわけないじゃないですか」
「だからね、これからは、バレないように女装してきて」
「……何言ってるんですか? 部長?」
「ここに女子用の制服あるから着てみて」
「嫌ですよ。っていうか、どこから用意したんです? その制服」
黙っていれば美少女の秋芳さん。でも、急にからかってきたり、隙あらばくっ付いてきたり、エッチないたずらしてきたり、たまに年上っぽく振舞ったり、時折可愛くみせたり。
部活の先輩後輩であり、友達でもあり、仲間でもあり、姉弟でもあるような……
お互いがその感情を『恋』と気付くまで、付かず離れず、ゆっくりと過ぎていく時間。
「ねえ、春山くん。メイド喫茶ってあるでしょ?」
「ええ、ちょっと前、流行りましたね」
「私も、ここでもやろうかなーって。メイド茶室」
「そんなことしたら千利休にぶん殴られますよ」
今日もまた春山くんは、秋芳さんにもてあそばれる。
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