神が世界を創造した。
神は7体の眷属を生み出し、世界の統治を任せた。
7体の眷属は世界の平和を保ち、人々は眷属を聖竜と呼び崇めるようになった。
…
ノレシア王国の最果て。人口およそ100人に満たない小さな村に一人の少年がいた。
少年の名はノラ。リュージン村に住む彼は、誰もが魔法を使える世界では稀有な魔法を使えない存在だった。
幼い日に気づいた悲しき現実。そして植え付けられた他者への劣等感は、幼なじみの存在によって更に加速する。
幼なじみの少女ミリアは、魔法の全能の才を持った天才だったのだ。
しかしノラは諦めなかった。認めなかった。そしていつか自分が魔法を使える日を夢見てノラは剣技を磨いた。やがてノラとミリアは日々互いに切磋琢磨するようになった。
毎日ひたむきに努力する彼を馬鹿にする者は1人もおらず、いつしかノラは剣技において天才と称されるようになっていた。
そんなある日。家族、そして住民の温かさに囲まれた日々は突然崩れ去る。
どこからか現れた魔物の軍勢によってリュージン村が襲撃されたのだ。一時は凌いだ危機も、新たに現れた軍勢により村は一瞬で壊滅し、住民もほぼ全滅した。
そして魔物の軍勢の襲撃後、リュージン村から救出されたノラの運命は加速する。
これは大いなる業を背負いし少年の無双と試練、出逢いと別れの物語。