これは、やや反則的な言い回しになってしまうが、人類の生活圏は地球全土にわたり、その高さは巨大なビルを越えて、国際宇宙ステーションの高度408キロメートルにまで昇っている。少なくともその高さまで、人類が到達したことは間違いない。
一方、人類が降り立った最も深い場所は、たった地下4キロメートルであり、その下の世界を見た者はまだ誰もいない。
――というのは表向きの話であり、俺は知ることになる。
地下はるか1000キロメートルでの人々の営みを。
地上より進んだ文明と科学技術を持ち、ロボットと共に暮らす人々の生活を。
人と同じか、あるいはそれ以上に喜怒哀楽に富んだAI達を。
これは、地底で生きることになった俺、葉隠朗広(ハガクレ アキヒロ)が、
様々な人やロボット、AIに翻弄されながらも、精一杯生きて、戦って、恋をした。
“太陽”の物語である。